
横浜市長・山中竹春氏の言動について、第三者による調査が「重大なパワハラ行為があった」と認定しました。
問題になったのは、「切腹」という発言や銃で撃つようなポーズ、「ポンコツ」「ダチョウ」「人間のクズ」などの表現、特定の職員を市長室での説明から遠ざける「出禁」、人事権を背景にした職員への心理的圧迫などです。
問題は2026年1月、当時の横浜市総務局人事部長だった久保田淳氏の実名告発によって表面化しました。横浜市会の要請を受けて3人の弁護士による第三者調査が行われ、7月30日に100ページに及ぶ報告書が公表されています。報告書は7つの類型について調査し、そのほとんどで事実の存在を認定したうえで、山中市長の一連の言動を重大なパワハラと評価しました。
山中市長は8月13日の横浜市会で、報告書が認定した事実をすべて受け入れるとして謝罪しました。一方、辞職する考えは示さず、市役所組織を立て直したいとして続投する意向を改めて表明しています。
山中竹春市長は何をしたのか、パワハラ・暴言の具体的な内容から、告発した久保田淳氏、第三者調査、市議会での謝罪、辞任や今後まで詳しく確認します。
山中竹春は何をした?第三者調査が重大なパワハラを認定
山中竹春市長をめぐる今回の問題は、単独の発言だけが問題になったものではありません。
第三者調査では、職員に対する言動を7つの項目に分けて検証しました。その結果、7項目の「ほとんど」で事実が認められ、一連の言動を総合すると、職員の尊厳を傷つけ職場環境を悪化させる重大なパワハラがあったと評価されています。
山中竹春のパワハラで調査された7項目
第三者調査報告書で検証された7項目は次の通りです。
| 項目 | 調査された主な内容 |
|---|---|
| 1 | 市長室で怒鳴る・机を叩く・書類を投げる行為 |
| 2 | 「TICADを誘致できなければ切腹だぞ」などの切腹発言 |
| 3 | 職員に拳銃を向けるような「銃撃ポーズ」 |
| 4 | 「ポンコツ」「ダチョウ」「人間のクズ」など人格を否定・侮辱する発言 |
| 5 | 深夜・休日を問わない常態的な業務連絡や私用メールに関する指示 |
| 6 | 特定の職員を市長への対面説明から外す「市長室出入り禁止」 |
| 7 | 人事権を背景とした職員への心理的圧迫・支配 |
横浜市の調査報告書は、この7項目を一つずつ検証しています。単に告発内容をそのまま事実としたわけではなく、市長本人や職員へのヒアリング、アンケート、メールなどの資料を踏まえて認定しています。
ただし、告発されたすべての表現がそのまま認められたわけではありません。
たとえば、特定の日に「机を叩いた」とされた行為や、写真展の会場で「デブ」「2頭身」「気持ち悪い」「死ね」と発言したとされた部分などは、報告書でも事実の有無を認定するまでには至っていません。
山中竹春のパワハラ内容は?暴言・銃撃ポーズ・切腹発言
山中竹春市長について特に注目されたのが、一般的な厳しい指導という範囲を超えたと評価された言葉や仕草です。
第三者調査では、市長という圧倒的に優位な立場から、こうした言動が日常的・継続的に行われていた点を深刻に捉えています。
「ポンコツ」「ダチョウ」「人間のクズ」と暴言
報告書では、山中市長が他の特別職や職員について、
「ポンコツ」
「ダチョウ」
「人間のクズ」
「スペックが低い」
「頭が悪い」
などと発言していたことが認定されています。
山中市長自身も「ポンコツ」「ダチョウ」など、この種の発言をした事実については認めていました。調査では複数の職員が別の場面でも同様の言葉を聞いていたことが確認されています。
第三者調査は、「ポンコツ」などを侮蔑的な表現、「クズ」を人格否定に当たる表現と評価しました。
また、特定の人物を「ダチョウ」と呼ぶことや、女性職員を「おばさん」と呼ぶ行為などについても、人権への配慮を欠いた言動として問題視しています。
「裏切ったらこれだからな」と銃撃ポーズ
もう一つ大きく報じられたのが「銃撃ポーズ」です。
久保田淳氏は、2025年10月21日に市長室で報告を行った際、山中市長が会話を録音しているのではないかと疑い、「裏切ったらこれだからな」という趣旨の発言をしながら、手を拳銃の形にして自分に向ける仕草をしたと訴えていました。
久保田氏は同じような行為が複数回あったとも説明しています。第三者調査でも銃撃ポーズに関する事実関係が検証され、報告書の総合評価に含まれました。
山中市長は当初、久保田氏が主張した特定の日の仕草について記憶がないとしていましたが、8月13日の市議会では銃を模した仕草をした記憶自体はあると説明し、相手が自分に向けられたと受け取る状況もあったとの認識を示しています。
「TICADを誘致できなければ切腹だぞ」と発言
「切腹」という言葉もパワハラとして評価されました。
発端となった告発では、2023年6月26日、市長公舎でチュニジア大使夫妻との昼食会を待っていた際、TICAD(アフリカ開発会議)の誘致をめぐって「誘致できなければ切腹だぞ」という趣旨の発言をしたとされています。
調査報告書は、「切腹」という言葉を聞いた職員が、自分も責任を問われるのではないか、職を辞さなければならなくなるのではないかと感じる心理的圧迫につながるとして、パワハラに該当すると評価しました。
書類を投げる・怒鳴る行為も問題に
市長室での職員への対応も調査対象になりました。
久保田氏は2023年6月、市長室で外務省職員の視察に関する事前報告をした際、山中市長が怒鳴ったり書類を投げたりしたと訴えていました。
第三者報告書では、特定の日に「机を叩いた」という部分までは認定されませんでしたが、怒鳴る行為や書類を投げるなどの行為について複数の事実が確認されています。報告書では、こうした高圧的な言動が職員の心理的安全性にも影響していたと評価されています。
山中竹春の「市長室出禁」と人事権を使った職員支配とは?
暴言や銃撃ポーズだけでなく、第三者調査が強く問題視したのが「市長室出禁」と人事権を背景にした職員への圧力です。
報告書では、とりわけ人事権を利用して職員を心理的に支配する行為について、非常に重い評価をしています。
気に入らない職員を「市長室出入り禁止」にしていた?
ここでいう「出禁」は、市役所への出入りそのものを禁止するという意味ではありません。
通常であれば市長室で直接説明できる部長級以上の職員が、市長への対面説明のアポイントを取れなくなり、別の職員を通して説明しなければならなくなる状態を指しています。
第三者調査には「出禁」に関する情報が多数寄せられ、実際に対面説明から外された職員や、代わりの職員に説明を頼んだケースも認定されています。
山中市長は問題発覚当初、「出入り禁止」があったとの主張を否定していましたが、第三者調査は市役所内でこうした状態が実際に存在していたと判断しています。
「飛ばされる」と思わせる人事が職員を萎縮させた
さらに報告書は、人事権を背景に職員へ心理的圧迫を加える問題も認定しました。
調査では、意見が合わない職員が人事異動で「飛ばされた」と受け取る事例や、市長の意向に沿わなければ不利益な人事を受けるのではないかと不安を感じる職員がいたことが報告されています。
第三者調査は、人事権を用いて職員を心理的に圧迫・支配する行為についてパワハラに当たると評価し、不合理な人事によって精神的に厳しい状態に置かれた職員もいたと指摘しました。
山中竹春のパワハラはなぜ発覚?久保田淳氏が実名告発
今回のパワハラ問題が表面化したきっかけは、当時現職の人事部長だった久保田淳氏による実名告発でした。
人事やハラスメント対策を担当する幹部自身が市長の言動を問題視し、公の場で訴えたことで、市議会を巻き込む大きな問題へ発展しました。
久保田淳氏は2026年1月に記者会見
2026年1月11日、文春オンラインが久保田氏による実名告発を報じました。
久保田氏は1月15日に記者会見を開き、自身の行動を市長の言動を是正するための「公益通報」と位置づけました。
会見では、怒鳴る、書類を投げる、切腹発言、銃撃ポーズ、深夜や休日の業務連絡、他の幹部への侮辱、「出禁」、人事権による圧力などを訴えています。
山中竹春は一部の暴言を認めて謝罪
山中市長は1月16日の会見で、久保田氏との会話の中で「バカ」「ポンコツ」「クズ」「スペックが低い」「ダチョウ」など、行き過ぎた表現を使ったことを認めました。
久保田氏につらい思いをさせたとして謝罪し、ハラスメント研修を受ける考えも表明しています。
一方、当時は元市議会議長の容姿を中傷したとされる発言などについて否定しており、久保田氏側と山中市長側の説明には大きな隔たりがありました。
山中竹春のパワハラ問題の経緯|第三者調査まで何があった?
告発後、横浜市会は市長自身の影響を受けない第三者による検証を求めました。
その後、神奈川県弁護士会から推薦された3人の弁護士による調査が行われ、職員へのアンケートやヒアリング、メールなどの資料をもとに約4カ月にわたって検証されています。
山中竹春パワハラ問題の時系列
| 時期 | 主な動き |
|---|---|
| 2026年1月11日 | 久保田淳氏の実名告発が文春オンラインで報道 |
| 1月15日 | 久保田氏が記者会見 |
| 1月16日 | 山中市長が一部の暴言を認め謝罪 |
| 1月28日 | 横浜市会が第三者による真相究明を求める決議を全会一致で可決 |
| 2月 | 横浜市が第三者調査の制度を整備 |
| 3月16日 | 3人の弁護士による第三者調査が開始 |
| 7月30日 | 調査報告書を公表、重大なパワハラを認定 |
| 8月13日 | 山中市長が市議会で謝罪、続投意向を表明 |
横浜市会は1月28日、市長と久保田氏の主張に隔たりがあるとして、公正・中立で専門性のある第三者による調査を求める決議を全会一致で可決しました。その後、神奈川県弁護士会の推薦を受けた弁護士3人が調査委員となっています。
第三者調査は山中竹春のパワハラをどう評価した?
2026年7月30日に公表された調査報告書は100ページに及びます。
報告書は、山中市長の言動を単発の失言だけで評価するのではなく、市長という圧倒的に優位な立場から、多岐にわたる不適切な言動が日常的かつ継続的に行われていたことを問題視しました。
「7項目すべて認定」ではなく一部は認定できなかった
ニュースでは「パワハラ7項目」と報じられることもありますが、横浜市の報告書を見ると、より細かな線引きがあります。
報告書は事項1~7のほとんどについて事実を認定しましたが、
- 特定の日に机を叩いたという事実
- 「切腹」発言が久保田氏だけに向けられたという事実
- 写真展で「デブ」「2頭身」「気持ち悪い」「死ね」と発言したという事実
- 情報公開を避ける目的で私用メールを使うよう指示したという事実
については、事実の有無を認定するまでには至らなかったとしています。
その一方で、「ポンコツ」「ダチョウ」「クズ」などの発言、切腹発言、勤務時間外の常態的な連絡、「出禁」、人事権を背景とした職員への圧力など、数多くの行為が認定されました。
その総合評価として、第三者調査は「重大なパワハラ行為があった」と結論づけています。
山中竹春は謝罪した?8月13日の市議会で認定事実を受け入れる
第三者調査の報告後、山中竹春市長が市議会でどのように説明するのかも注目されていました。
8月13日に開かれた横浜市会の総務委員会で、山中市長は報告書の認定内容を受け入れる姿勢を明確にし、改めて謝罪しました。
山中竹春は「認定された事実をすべて受け入れる」と謝罪
山中市長は市議会で、第三者調査報告書が認定した事実をすべて受け入れ、自身の認識を改めたと説明しました。
職員への言動について謝罪し、市政に混乱を生じさせたことにも陳謝しています。質疑では久保田氏や周囲の職員について語る途中、涙を拭う場面もありました。
一方、市議からは、これまでの説明との食い違いや、パワハラと認定された行為について厳しい追及が続きました。
特に書類を投げた行為や銃撃ポーズ、職員への暴言などをめぐり、市長としての資質や責任を問う声が上がっています。
山中竹春は辞任する?謝罪後も辞職せず続投の意向
パワハラが重大と認定されたことで、山中竹春市長が辞任するのかも焦点になっています。
しかし、2026年8月14日午前までに山中市長が辞職を表明した事実はなく、本人は市長を続ける考えを示しています。
山中竹春は「市役所組織を立て直す」と続投意向
8月13日の市議会では複数の議員から辞職を求める声が出ました。
それに対して山中市長は、自分自身が責任を負って市役所組織を立て直したいとの考えを示し、続投する意思を改めて表明しました。
7月30日に第三者報告書が公表された直後にも、市政を前へ進めるため自身の言動を見つめ直す考えを示しており、現時点では辞職ではなく、自身が変わることで信頼回復を図る姿勢です。
自民党は山中竹春市長への辞職申し入れ方針
山中市長本人が続投を表明する一方、市議会側では辞職を求める動きが強まっています。
FNNは8月14日、横浜市会最大会派の自民党が山中市長に辞職を申し入れる方針を固め、公明党や立憲民主党にも連携を呼びかけていると報じています。テレビ朝日も、前回の市長選で山中氏を支援した自民・立憲・公明の3会派が辞職を求める動きに入っていると伝えました。
前回の市長選で支援した側からも辞職を求める声が出ているため、山中市長が今後も現在の方針を維持するのか、市議会との関係がどう変化するのかが次の焦点となっています。
山中竹春の今後はどうなる?辞任・続投と信頼回復が焦点
2026年8月14日時点では、第三者調査によるパワハラ認定を受けても、山中竹春市長は辞職せず続投する意向です。
ただ、市議会では厳しい追及が続いており、辞職を求める動きも具体化しています。
第三者調査報告書は、市長自身の言動だけでなく、市の組織体制についても改善策を示しています。
特別職も対象に含めたハラスメント防止の仕組みや、公平な人事運用、「出禁」のような取り扱いをなくすことなどが提言されています。また、調査委員は山中市長について、研修などで反省する姿勢が見られる一方、同様の言動が再び起きることへの懸念も記しています。
今後は、山中市長が具体的にどのような再発防止策を実行するのかに加え、市議会からの辞職要求にどう対応するのかが注目されます。
山中竹春は何をした?パワハラ・暴言と続投意向のまとめ
横浜市長・山中竹春氏をめぐる問題は、2026年1月に当時の人事部長だった久保田淳氏が実名で告発したことから表面化しました。
第三者調査では、怒鳴る・書類を投げる行為、「切腹」発言、銃撃ポーズ、「ポンコツ」「ダチョウ」「人間のクズ」などの侮辱的な発言、時間外の常態的な連絡、「市長室出禁」、人事権を背景とした職員への心理的圧迫などが詳しく検証されました。
一部の告発内容は認定に至らなかったものの、調査報告書は7項目のほとんどで事実を認定し、一連の言動を総合して「重大なパワハラ行為があった」と評価しています。
山中市長は8月13日の市議会で、報告書が認定した事実をすべて受け入れるとして謝罪しました。
ただし、辞職する考えは示しておらず、自身が責任を持って市役所組織を立て直すとして続投する意向です。一方、市議会では自民党を中心に辞職を求める動きが強まっており、山中市長の進退をめぐる状況は今後も変わる可能性があります。

