
2026年9月10日、京セラドーム大阪で開催される「超RIZIN.5 浪速の超復活祭り」で、朝倉未来選手と青木真也選手が71kg契約で対戦します。RIZINを代表する朝倉選手と、日本MMA界を長年支えてきた青木選手による世代を超えた一戦だけに、発表時から大きな注目を集めてきました。試合はRIZIN MMAルール5分3Rで、第7試合に組まれています。
気になるのは、「青木真也と朝倉未来はどっちが強いのか」「勝敗予想はどうなのか」という点でしょう。朝倉選手は打撃で明確な強みを持つ一方、青木選手はMMA49勝のうち33勝が一本という突出した寝技の実績があります。さらに今回は朝倉選手が普段主戦場とするフェザー級66kgではなく、71kg契約で戦う点も見逃せません。
結論から言うと、筆者は朝倉未来選手がやや有利と予想し、勝率イメージは「朝倉未来60%:青木真也40%」です。本命は朝倉選手の2R KO・TKO。ただし、青木選手が序盤に深く組みつき、寝技へ持ち込めれば1R一本勝ちも十分あり得ます。
青木真也vs朝倉未来の勝敗予想|どっちが強い?
青木真也vs朝倉未来の勝敗を考えるうえで重要なのは、単純に「総合格闘家としてどちらが上か」を比べることではありません。
両者の得意分野がはっきり違うため、朝倉選手が打撃の距離を保てるか、青木選手が自分の得意な組みの距離まで入れるかによって、試合の景色そのものが変わります。
朝倉選手は打撃、カウンター、距離管理に強みがあります。一方の青木選手は、柔道やグラップリングを土台にしたテイクダウンから関節技、絞め技へつなぐ能力が最大の武器です。青木選手が寝技へ持ち込めば青木選手、スタンド中心なら朝倉選手という構図が基本になります。
筆者の予想は朝倉未来60%:青木真也40%
今回、筆者が朝倉選手をやや有利と見る理由は、主に打撃力、年齢差、直近の組み技対策、71kgでのコンディションです。
朝倉選手は2026年9月8日の試合前インタビューで、前年大晦日のシェイドゥラエフ戦から8〜9カ月にわたり、練習の大半を組み技に充ててきたと明かしています。青木戦を意識する以前から組み技の強化に時間を使ってきたことは、今回の勝敗予想では大きな材料です。
一方、青木選手は43歳になった現在も「MMA49勝33一本」という実績を持ちます。朝倉選手が試合の大部分を支配していても、組み際の一度のミスから逆転される怖さがあります。
両者の違いを簡潔に比べると、次のようになります。
| 比較項目 | 朝倉未来 | 青木真也 |
|---|---|---|
| 年齢 | 34歳 | 43歳 |
| 身長 | 177cm | 180cm |
| リーチ | 178cm | 183cm |
| 前日計量 | 71.00kg | 70.65kg |
| 最大の武器 | 打撃・距離管理 | 組み・寝技・極め |
| 本命の勝ち筋 | KO・TKO | 一本 |
身長とリーチでは、実は青木選手のほうが上です。前日計量でも朝倉選手が71.00kg、青木選手が70.65kgで、両者とも契約体重をクリアしました。青木選手は朝倉選手より身長で3cm、リーチで5cm長いため、「大きな朝倉選手を小柄な青木選手が寝技で攻略する」という単純な構図ではありません。
それでも試合が長くスタンドで続けば、筆者は朝倉選手の打撃が徐々に優位になると見ています。そのため60対40。ただし、青木選手の40%には「一度の組みで試合を終わらせる可能性」が含まれており、数字以上に危険な対戦だと感じます。
ここまでの予想をもう少し具体的にするため、今回は試合の勝敗に影響すると考えた7項目を5点満点で採点し、それぞれの重要度を変えて加重した筆者独自の評価モデルも作成しました。
評価対象は「打撃・距離管理」「組み・極め」「自分の勝ち筋へ持ち込む力」「後半の持続力」「直近MMAの内容」「体格・リーチ」「大舞台・キャリア経験」の7項目です。
この評価では、今回の対戦で特に重要だと考えた打撃・距離管理を30%、組み・極めを25%、勝ち筋へ持ち込む力を15%とし、残り4項目を5〜10%で配分しました。各項目の5点満点評価を重要度に応じて100点換算したもので、公式オッズや統計から算出された実際の勝率ではありません。あくまで筆者が今回のマッチアップを比較するために設定したシミュレーションです。
計算すると、朝倉選手は77.2点/100点、青木選手は74.4点/100点となりました。

この結果で特に差が出たのが、「打撃・距離管理」と「組み・極め」です。
打撃・距離管理は朝倉選手4.6点、青木選手2.6点と評価しました。一方、組み・極めでは朝倉選手2.8点に対し、青木選手は最高評価の5.0点です。
さらに大舞台・キャリア経験も青木選手5.0点、朝倉選手4.2点としましたが、後半の持続力では朝倉選手4.2点、青木選手3.1点と逆転します。
興味深いのは、これだけファイトスタイルが違う2人なのに、加重点の総合評価では77.2対74.4とわずか2.8ポイント差しかつかなかったことです。
筆者が朝倉選手を60%、青木選手を40%と予想しながらも「圧倒的な差ではない」と考える理由が、この数字にも表れています。
朝倉選手には試合全体を優位に進める材料がありますが、青木選手には特定の局面で圧倒的な差を作れる武器があります。
つまり今回の勝敗予想では、平均的な能力の高さ以上に、どちらが自分の5点評価の領域へ試合を持ち込めるかが重要なのです。
青木真也vs朝倉未来の試合はいつ?試合時間・ルール・配信
青木真也vs朝倉未来の試合は、2026年9月10日(木)に京セラドーム大阪で開催される「超RIZIN.5 浪速の超復活祭り」で行われます。
大会は14時開場、16時開始。朝倉未来vs青木真也は全8試合のうち第7試合で、RIZIN MMAルール5分3R、71.0kg契約です。第7試合の正確な開始時刻は、それまでの試合時間や大会進行によって前後します。
PPVは15時から配信予定で、RIZIN 100 CLUB、RIZIN LIVE、ABEMA、スカパー!などで全試合のリアルタイム配信・中継が案内されています。
試合を見る前に押さえておきたいのは、「71kg・5分3R・第7試合」という3点です。特に71kgという体重設定は、普段フェザー級で戦う朝倉選手と、長年ライト級戦線で戦ってきた青木選手を比較するうえで重要になります。
朝倉未来はどこが強い?青木真也に勝つための武器と弱点
朝倉未来選手の強みというとパンチ力に目が向きがちですが、今回の青木戦では距離管理と組み際の判断のほうが重要になるでしょう。
朝倉選手はTHE OUTSIDER、ROAD FCを経て2018年にRIZINへ参戦。近年では2025年5月に鈴木千裕選手へTKO勝利し、同年7月にはクレベル・コイケ選手にも判定勝利しています。大晦日のシェイドゥラエフ戦では1R TKO負けを喫しましたが、その後は組み技を重点的に強化してきました。
朝倉未来の強みは打撃だけでなく「触らせない距離」
青木選手を相手にする場合、一発の強打を当てる以前に、組みの距離まで簡単に入らせないことが重要です。
元UFCファイターでRIZIN解説も務める髙阪剛氏は、朝倉選手側の理想として、青木選手に触らせず外側から打撃を当て、徐々に消耗させる展開を挙げています。
朝倉選手にはカウンターがあるため、青木選手が不用意に距離を詰めれば迎撃できます。ただし、KOを狙って足を止めたり大振りしたりすれば、その瞬間に青木選手が身体へ触れるチャンスも生まれます。
つまり今回の打撃は、「何発当てるか」だけでなく、当てたあとに青木選手の組みを許さない位置へ戻れるかまでがセットです。
クレベル戦の勝利は青木真也対策の参考になる?
朝倉未来vs青木真也を予想するとき、比較材料として外せないのがクレベル・コイケ選手との試合です。
朝倉選手は2021年6月、クレベル選手に三角絞めで一本負けしました。しかし2025年7月の再戦ではクレベル選手のテイクダウンを許さず、3Rを戦ってスプリット判定勝利。4年前とは違う対テイクダウン能力を見せました。
この結果だけを見ると「クレベルを攻略した朝倉なら青木の寝技にも対応できるのでは」と思いたくなります。
ただし、ここには大きな違いがあります。
髙阪氏は青木選手とクレベル選手について、クレベル選手は柔術のセオリーや順序を踏みながら極めへつなげるのに対し、青木選手は相手に触った感触から嫌がる場所を見つけ、そこから攻撃を組み立てていくタイプだと分析しています。
そのため、クレベル戦の勝利は朝倉選手にとってプラス材料ではあるものの、そのまま青木攻略の証明にはなりません。
むしろ今回問われるのは、決められた柔術の形への対応だけではなく、青木選手が組みの中で次々と変えてくる攻撃へ瞬時に反応できるかどうかでしょう。
この点を一つの試合だけで判断しないため、今回は朝倉選手の近年のMMAから、組み・寝技・グラウンドの攻防が勝敗に大きく関係した3試合を抽出して比較しました。
対象にしたのは、2023年7月30日のヴガール・ケラモフ戦、2025年7月27日のクレベル・コイケ再戦、2025年12月31日のラジャブアリ・シェイドゥラエフ戦です。
これは朝倉選手の全試合を統計処理したものではなく、今回の青木真也戦を考える材料として、組み・寝技への対応が特に重要だった3試合をRIZIN公式の試合結果から抜き出した実データ比較です。
ケラモフ戦では1R2分41秒、リアネイキッドチョークで一本負け。クレベル再戦では3Rを戦って判定2-1で勝利。そしてシェイドゥラエフ戦では1R2分54秒、グラウンドパンチによるTKO負けとなっています。

3試合を並べると、朝倉選手の組み技対応を「強くなった」「弱い」のどちらか一言で評価することが難しいことが分かります。
ケラモフ戦ではテイクダウンからバックを取られ、リアネイキッドチョークによる一本負け。クレベル再戦では、逆に相手のテイクダウンや引き込みに付き合わず、得意な打撃の距離を維持して判定勝ちしました。
ところが、その約5カ月後に行われたシェイドゥラエフ戦では、片足タックルからテイクダウンされ、立ち上がっても再び投げられる展開となり、最後はグラウンドパンチで止められています。
ここから見えてくるのは、「クレベルを攻略した=すべてのグラップラーを攻略できる」ではないということです。
相手がどの位置から組むのか、どれほどフィジカルが強いのか、タックル中心なのか、柔道系の投げなのか、寝技へ入った後の攻撃がサブミッション中心なのかパウンド中心なのかで、必要な対応は変わります。
だからこそ青木戦では、クレベル戦の成功体験は大きな材料でありながらも、それだけを根拠に朝倉選手有利とは判断できません。
一方で、ケラモフ戦やシェイドゥラエフ戦で実際に組み・グラウンドから敗れた経験があるからこそ、朝倉選手がその課題を明確に認識し、直近8〜9カ月の練習を組み技中心に変えていることにも意味があります。
過去3試合のデータと現在の練習内容を合わせて見ると、今回の青木戦はまさに、朝倉選手の組み技対策がどこまで進化したのかを測る試合にもなりそうです。
朝倉未来の弱点は組み際の一瞬
朝倉選手にとって最も危険なのは、完全に寝かされた後だけではありません。
パンチを打ち終えた直後や、蹴り足を戻す瞬間、クリンチから離れようとする場面など、打撃から組みへ切り替わる一瞬が最大のリスクになります。
元谷友貴選手も今回の勝負について、「青木選手が組めるか組めないか」がポイントになると分析しています。青木選手はタックルだけでなく柔道系の組みや投げも使えるため、朝倉選手は一種類のテイクダウンだけを警戒すればよいわけではありません。
朝倉選手が青木選手に勝つには、寝技そのもので勝負するより、青木選手が得意な寝技を始める前の段階で止め続けることが重要になりそうです。
青木真也はどこが強い?寝技の極めと経験値が最大の武器
青木真也選手は1983年5月9日生まれの43歳。修斗、DREAM、ONE Championshipで王座を獲得し、20年以上にわたり国内外のトップ戦線で戦ってきた日本MMA界屈指のグラップラーです。
最大の特徴は、やはり極めの強さでしょう。
MMA49勝のうち33勝が一本。単に寝技が得意というレベルではなく、相手が一つ判断を間違えれば、そのまま試合を終わらせられる選手です。直近の試合前報道でも「MMA49勝33一本」と紹介されています。
「49勝33一本」という数字がどれほど極端なのかを分かりやすくするため、今回は公表されている49勝と33一本を使い、勝利全体に一本勝ちが占める割合を単純集計しました。
計算条件は「33÷49×100」です。対戦相手のレベルや時代、団体、一本の種類などには重み付けをせず、あくまで公表されている通算勝利数のうち、一本勝ちがどの程度を占めるのかだけを再計算した実データです。
その結果、一本勝ちの割合は67.35%、小数第1位まで丸めると約67.3%。残り16勝は約32.7%となります。

つまり青木選手が勝った試合の約3試合に2試合は一本勝ちという計算です。
もちろん、この67.3%がそのまま朝倉選手から一本を取る確率を意味するわけではありません。対戦相手もルールも年代も違うためです。
ただ、「青木真也は寝技が得意」という印象論ではなく、キャリアを通じて勝ち試合のおよそ3分の2を一本という形で終わらせてきたことは、今回の勝敗予想を考えるうえで無視できない数字です。
朝倉選手側からすれば、「多少寝技になっても耐えればよい」という発想ではなく、できるだけ青木選手が得意な形そのものを作らせない必要があります。
青木真也の寝技は「倒してから」始まるわけではない
青木選手の怖さは、テイクダウンして上になってから寝技を始めるタイプではないところにあります。
柔道をバックボーンに持つため、立った状態で身体に触れた時点から投げ、崩し、関節技、バックポジションなど複数の展開へつなげられます。
髙阪氏も青木選手について、長い手足を最大限に使える点や、相手に触れた段階から独特の感覚で攻撃を作っていく点を高く評価しています。
試合直前の青木選手自身も、朝倉戦では最後まで組み続ける姿勢を示しています。
つまり朝倉選手が警戒すべきなのは「テイクダウンされたら危険」ではなく、青木選手に深く組まれた時点ですでに危険な攻防が始まっているということです。
秋元強真の証言からも分かる青木真也の寝技
青木選手の寝技の強さを考えるうえで興味深いのが、実際に練習している秋元強真選手の評価です。
秋元選手はクレベル・コイケ選手との試合も経験したうえで青木選手の寝技を「化け物」と表現。矢地祐介選手も青木選手のグラップリング能力を非常に高く評価しています。
これは今回の「青木真也と朝倉未来はどっちが強い?」という疑問を考える際にも重要です。
打撃を含めたMMA全体では朝倉選手に有利な要素がありますが、純粋な組み・寝技の局面だけを切り取れば、青木選手のほうが明確に危険だと見ています。
だからこそ朝倉選手は、「寝技になっても対応できる」という自信があったとしても、必要以上に青木選手の土俵で能力を証明しようとする必要はないでしょう。
青木真也の不安材料は43歳という年齢と消耗
青木選手にも弱点はあります。
直近のMMAでは2025年11月のONE日本大会で手塚裕之選手に2R TKO負け。現在43歳という年齢もあり、朝倉選手を15分間追い続ける展開になった場合、スタミナや回復力は勝敗を左右する要素になります。
特に青木選手が序盤から何度も強く組みに行き、それを朝倉選手に切られ続ければ消耗は避けられません。
青木選手側からすれば、ただ組みの回数を増やすだけではなく、一度つかんだチャンスをどこまで大きな展開につなげられるかがポイントになります。
青木真也vs朝倉未来の体重は71kg|契約体重はどちらに有利?
青木真也vs朝倉未来の試合は、71.0kg契約で行われます。
朝倉選手は通常、RIZINフェザー級の66kgを主戦場としてきました。一方、青木選手は長年ライト級でキャリアを築いてきた選手です。
前日計量では朝倉選手が71.00kg、青木選手が70.65kgで両者ともクリアしています。
朝倉未来は厳しい減量が少なくなる
71kg契約が朝倉選手に与える最大のメリットは、フェザー級66kgまで体重を落とす必要がないことです。
本人は試合前、組み技中心の練習と食事によって筋肉量や通常体重が増え、現在は以前よりフェザー級への減量が厳しくなっている感覚があると話しています。
今回は減量による消耗を抑えた状態で試合へ入れるため、打撃の出力だけでなく、青木選手の組みを切るためのフィジカルや終盤のスタミナにもプラスに働く可能性があります。
特に今回のように、相手のテイクダウンを何度も防ぐ必要がある試合では、この差は小さくないでしょう。
青木真也も体格では不利ではない
一方で、71kgだから青木選手がフィジカル面で一方的に不利になるわけでもありません。
公式データでは青木選手は身長180cm・リーチ183cm。朝倉選手は177cm・178cmなので、青木選手のほうが手足は長くなっています。
青木選手にとって、この長さは単なる打撃のリーチではありません。脚を絡める、バックへ回る、腕や首を狙うといった寝技でも大きな武器になります。
そのため71kg契約は、朝倉選手には減量負担が小さいメリットがあり、青木選手には本来のキャリアに近い体重帯で戦えるメリットがあると見ています。
どちらか一方だけが圧倒的に得をする体重設定ではなさそうです。
さらに体格差を感覚だけで判断しないため、今回はRIZINが公開した前日計量データから、体重・身長・リーチの3項目をそのまま抜き出して比較しました。
これは予測値ではなく、2026年9月9日の公開計量で発表された実測・公式プロフィール値を使った比較です。朝倉選手71.00kg、青木選手70.65kg、身長は177cmと180cm、リーチは178cmと183cmという条件で差を算出しています。

数字にすると興味深い結果になります。
計量体重では朝倉選手が0.35kg重い一方、身長では青木選手が3cm高く、リーチでは5cm長いのです。
つまり「71kg契約だから朝倉選手のほうが体格で有利」と単純には言えません。
朝倉選手は契約上限ちょうどの71.00kgまで体重を乗せていますが、青木選手は70.65kg。その差は350gにすぎません。一方でリーチ差は5cmあります。
MMAでは同じ体重でも、身体の長さがどこに配分されているかで戦い方が変わります。
打撃だけなら長いリーチは距離を取る材料になりますが、青木選手の場合は腕や脚を絡める寝技にも長さを使えます。その意味で、この5cm差は単なるプロフィール上の数字以上に気になるポイントです。
逆に朝倉選手には、通常より減量を抑えた状態で71kgまで身体を作れるメリットがあります。
体重そのものでは朝倉選手、身体の長さでは青木選手。両者が違う形のフィジカルメリットを持っていることが、今回の公式計量データから見えてきます。
青木真也vs朝倉未来の試合展開を予想
ここまで両者の強みと弱点を見てきましたが、最終的な勝敗を左右するのは、どちらが自分の得意分野へ試合を持っていけるかです。
朝倉選手は試合前に1Rからフィニッシュを狙う姿勢を示し、青木選手も組み続ける意思を明らかにしています。互いの狙いが分かりやすいからこそ、その裏をどうかくかも見どころになります。
1R|青木真也にとって最大の勝負どころ
筆者は、青木選手が最も危険なのは1Rだと予想します。
体力が十分にある序盤なら、タックル、クリンチ、投げなどを織り交ぜながら朝倉選手へプレッシャーをかけられます。
朝倉選手としては青木選手が組みに来るところへ打撃を合わせたいはずですが、KOを急いで前に出すぎれば、逆に距離が縮まります。
青木選手が早い段階で朝倉選手の腰や上半身を深く捕まえ、テイクダウンから優位なポジションを取った場合は、そのまま関節技や絞め技までつながる可能性があります。
青木真也勝利を予想するなら「1R一本」が最もイメージしやすい展開です。
逆に朝倉選手が1Rの組みを何度か切り、大きなグラウンド展開を作らせなければ、試合は徐々に朝倉選手側へ傾くと見ています。
これは元谷友貴選手が指摘した「青木選手が組めるか組めないか」というポイントとも重なります。元谷選手は、青木選手が1Rで自分の形を作れず消耗した場合の展開にも触れています。
2R|朝倉未来のKO・TKOチャンスが高まる
筆者の本命は、朝倉未来選手の2R KO・TKO勝ちです。
1Rで青木選手の組みを防ぎながら打撃を当てられれば、青木選手は2Rでも再び朝倉選手との距離を縮めなければなりません。
そこで朝倉選手がタイミングをつかめていれば、タックルや前進にパンチや膝を合わせるチャンスも増えてきます。
さらに青木選手がダメージや疲労によって前進のスピードを落とせば、朝倉選手は得意な距離で試合を作りやすくなります。
この「1Rで青木の攻撃をしのぎ、2Rから朝倉の打撃が効き始める」という展開を、現時点では最も有力と予想しています。
青木選手の一本勝ち率が通算勝利の約67.3%だったことを考えても、朝倉選手側は「一度寝技になってから逃げればいい」という試合より、そもそも序盤から深く組ませない試合を選ぶほうが合理的でしょう。
3Rまで行けば朝倉未来の判定勝ちもある
3Rまで試合が続いている場合は、朝倉選手が判定で勝つ展開も見えてきます。
青木選手は終盤でも一瞬の極めを持っているため、最後まで油断はできません。
ただし2Rまで青木選手が決定的な寝技の展開を作れていないのであれば、それは朝倉選手のテイクダウン防御と距離管理が機能している可能性が高いでしょう。
打撃でダメージを積み重ねながら組みを切り続ければ、最終的に朝倉選手が判定を取るシナリオも十分考えられます。
筆者の予想順位としては、①朝倉未来の2R KO・TKO、②青木真也の1R一本、③朝倉未来の判定勝ちの順です。
先ほどの7項目独自評価でも朝倉選手77.2点、青木選手74.4点と僅差でした。
この差を見ると、試合が朝倉選手の得意なスタンドで長く続けば朝倉選手側へ、反対に早い段階で青木選手が組みを完成させれば青木選手側へ、一気に評価が反転するマッチアップだと考えています。
青木真也vs朝倉未来の因縁とは?なぜ対戦することになった?
青木真也vs朝倉未来には「因縁」という言葉も使われますが、今回の試合は長年の個人的な恨みやSNSでの激しい挑発から生まれたカードではありません。
むしろ注目したいのは、日本MMAの異なる時代を代表してきた2人が対戦することです。
青木選手は修斗、DREAM、ONEなど国内外で長年活躍し、2015年の旗揚げ期以来となる約11年ぶりのRIZIN参戦。一方、朝倉選手は2018年のRIZIN初参戦以降、現在のRIZINを代表する選手の一人になりました。
長年の私怨より「世代の交差」という意味が大きい
対戦発表会見で朝倉選手は、青木選手を自ら指名したというより、オファーされた相手として受けたことを明かしています。
また、RIZINの榊原信行CEOは青木選手を日本MMAの歴史を体現してきた選手として語り、朝倉選手との対戦に日本MMAの次へつながる意味を持たせています。
さらに青木選手自身も朝倉選手をSNSなどで過度に挑発しているわけではなく、試合直前のインタビューでは、あえて一時的な話題作りを狙わない考えも明かしています。
そのため今回の「因縁」は、個人的な不仲というより、青木真也が歩んできたPRIDE・DREAM・ONEへと続く世代と、朝倉未来が中心となった現在のRIZIN世代がリングで交差することに意味があると感じます。髙阪剛氏も今回の一戦を、日本格闘技の異なる時代を支えた2人が交わるカードとして位置づけています。
ファイトスタイルも対照的です。
青木選手は組んで極めることを突き詰めてきた寝技師。朝倉選手は打撃や分析力を武器に、RIZINという舞台でスターになった選手です。
「青木真也vs朝倉未来」というカードが注目されるのは、勝敗だけでなく、これまで別々の道を歩いてきた2人の格闘技が直接ぶつかるからではないでしょうか。
青木真也vs朝倉未来の勝敗予想まとめ
- 青木真也vs朝倉未来は2026年9月10日の「超RIZIN.5」で対戦
- 試合は京セラドーム大阪で行われ、第7試合に組まれている
- ルールはRIZIN MMAルール5分3R、71.0kg契約
- 前日計量は朝倉未来71.00kg、青木真也70.65kgで両者ともクリア
- 筆者の勝敗予想は「朝倉未来60%:青木真也40%」
- 朝倉未来の最大の武器は打撃と距離管理、近年強化している組み技対策
- 青木真也はMMA49勝33一本を誇り、寝技に入れば一気に決着させる力がある
- クレベル戦での経験は朝倉未来にとってプラスだが、青木真也とは寝技のタイプが異なる
- 青木真也の本命シナリオは1Rに組みついて一本を奪う展開
- 最終予想は朝倉未来の2R KO・TKO勝ち
今回の勝敗を分ける最大のポイントは、朝倉未来選手が序盤の青木真也選手の組みを防ぎ、自分の打撃の距離へ戻せるかだと予想します。
今回、公式計量データ、青木選手の一本勝ち比率、朝倉選手の対グラップラー系3試合、そして筆者独自の7項目評価という4つの角度から比較しました。
公式計量では、朝倉選手が体重で0.35kg上回る一方、青木選手は身長で3cm、リーチで5cm上回りました。つまり、フィジカル面だけで一方が圧倒的に有利とは言い切れません。
また、公表されている青木選手の49勝33一本を単純計算すると、一本勝ちの割合は約67.3%。青木選手がどれほど「極め」を勝利につなげてきた選手なのかが数字にも表れています。
朝倉選手については、ケラモフ戦では1R一本負け、クレベル再戦では判定勝ち、シェイドゥラエフ戦では1R TKO負けでした。組み・寝技に強い相手との攻防は、相手のタイプによって結果が大きく変わっています。
さらに筆者独自の7項目評価では、朝倉選手77.2点、青木選手74.4点。朝倉選手がわずかに上回ったものの、その差は2.8ポイントでした。
青木選手が1Rで深く組めば、その瞬間から一本決着の可能性が一気に高まります。一方、朝倉選手が序盤を大きなピンチなく乗り切れば、時間が進むほど打撃力と年齢差が効いてくるでしょう。
そのため筆者の最終予想は、朝倉未来選手の2R KO・TKO勝ちです。
ただ、「朝倉未来が打撃で圧倒する試合」と決めつけるほど簡単なカードではありません。青木真也選手には、一度の接触からそれまでの試合展開をすべてひっくり返せる寝技があります。
朝倉未来の打撃か、青木真也の寝技か。最初の5分でどちらが自分の距離を作れるのかが、この試合最大の見どころになりそうです。
