アルカディア情報漏えいはどこの自治体?111自治体などに影響!静岡市4万3000人の被害と原因・復旧は?
アルカディア情報漏えいはどこの自治体?111自治体などに影響!静岡市4万3000人の被害と原因・復旧は?

自治体の防災メールや消防関係者向けシステムを運営する「アルカディア」への不正アクセス問題が全国へ広がっています。

総務省によると、2026年10月14日午後5時時点で全国111の自治体などに影響が確認されています。さらにアルカディアは、当初判明した「SpeeCAN RAIDEN」だけでなく、「NET119」と「119RAIDEN」にも不正アクセスの形跡があり、別途約12万件規模の個人情報に漏えいの恐れがあると発表しました。

静岡市では、防災メールなどに登録された市民・職員を合わせて約4万3000人分のメールアドレスなどが漏えいしたと市が発表。難波喬司市長が緊急会見で謝罪しました。市職員少なくとも20人には、クレジットカード会社を装った不審メールも届いています。

ただし、「111自治体など」という数字は、111自治体すべてで同じ種類・同じ規模の個人情報漏えいが確定したという意味ではありません。

自治体ごとに使用しているアルカディアのサービス、登録情報、サーバーが異なり、「市民向け防災メールに影響」「職員用システムだけに影響」「サービス停止のみ」「漏えい可能性を調査中」など状況は異なります。

アルカディア情報漏えいは何があった?

問題となっているのは、大阪府箕面市の株式会社アルカディアが提供する情報配信システムへの第三者による不正アクセスです。

アルカディアによると、2026年10月11日午後4時30分、「SpeeCAN RAIDEN」で不正アクセスが疑われる不審な挙動を確認しました。

10月12日午前3時ごろに侵入経路をふさぐ応急措置を実施し、影響範囲の調査を開始しています。

10月13日に外部からの侵入経路を特定

10月13日には外部からの不正な侵入経路を特定し、不正アクセス元のIPアドレスを遮断しました。

被害拡大防止のため、

  • SpeeCAN RAIDENの「raiden3.ktaiwork.jp」を利用する環境
  • ライデン・スクールの「s2.ktaiwork.jp」を利用する環境

を緊急停止しています。

最大313万6000件のメールアドレスに漏えいの可能性

SpeeCAN RAIDENについてアルカディアが公表した最大推定件数は次の通りです。

情報最大推定件数
メールアドレス約313万6000件
電話番号約10万5000件
FAX番号約1万5000件

このほか、

  • 連絡先の名前
  • 担当者情報
  • 契約情報
  • 配信履歴として保存されていた本文

なども対象になる可能性があります。

313万6000人の流出確定ではない

約313万6000件という数字は、あくまでメールアドレスの最大推定件数です。

1人が複数サービスへ登録しているケースも考えられるため「313万6000人」とは限りません。

また、アルカディアも推定値として公表しており、実際に第三者へ持ち出された情報の最終的な範囲については調査を続けています。

アルカディア情報漏えいで111自治体などに影響

テレビ朝日は総務省への取材として、10月14日午後5時時点で全国111自治体などに影響が出ていると報じています。

ここで注意したいのは、「111自治体」と「漏えい人数」を同じ意味で考えないことです。

111という数字は影響を受けた自治体などの数であり、それぞれ、

  • 防災メールの停止
  • 個人情報漏えいの可能性
  • 職員参集システムへの影響
  • NET119への影響
  • 119RAIDENへの影響

など内容が異なります。

対象自治体一覧は公表されている?

2026年10月15日時点で、総務省やアルカディアから111自治体などすべての名称をまとめた完全な公式一覧は公表されていません。

アルカディアの公式発表も自治体名ではなく、影響を受けたサービスやURLを中心に公表しています。

そのため「111自治体の完全一覧」として未確認の自治体名を並べることはできません。

一方、各自治体の公式発表から影響が確認できている地域は全国に広がっています。

現在確認できる主な対象自治体・地域

10月15日時点で自治体公式発表や主要報道から確認できる主な例は次の通りです。

都道府県・地域自治体など主な影響
埼玉県さいたま市防災行政無線メール3万4783件などに漏えい可能性
神奈川県横須賀市防災・防犯メールなどに漏えい可能性
神奈川県神奈川県大気汚染情報メール・電話サービスに影響
静岡県静岡市約4万3000人分の情報漏えいを発表
静岡県島田市防災メール約7583件などに影響
静岡県牧之原市まきのはらTeaメールに影響
静岡県御前崎市防災メールに影響
静岡県伊豆の国市Eメール配信サービスに影響
静岡県菊川市茶こちゃんメール約8300件などに影響
静岡県吉田町防災メールに影響
静岡県浜松市119RAIDEN・NET119に影響
愛知県知多市職員用参集メールに影響、市民情報の漏えいなし
愛知県瀬戸市NET119登録者26人に漏えい可能性
愛知県一宮市災害時一斉情報配信サービスに影響
広島県広島市防災メールは影響なし、職員参集情報に漏えい可能性
山口県下関市防災メール約1万5000件に漏えい可能性
山口県山口市防災情報配信サービスに影響
大分県大分県県民安全・安心メール2万7667件に漏えい可能性

各自治体でも調査が続いているため、対象地域は今後さらに更新される可能性があります。

静岡県では少なくとも13市町に影響

静岡県内では、10月13日夜の段階で少なくとも7市町への影響が確認されていました。

当初確認されたのは、

  • 静岡市
  • 島田市
  • 牧之原市
  • 御前崎市
  • 伊豆の国市
  • 菊川市
  • 吉田町

です。

その後、消防関係サービスへの調査が進み、10月15日には浜松市消防局でも119RAIDENとNET119の情報漏えい可能性が判明しました。

静岡放送によると、10月15日午後時点で静岡県内少なくとも13市町に影響が広がっています。

静岡市では約4万3000人分の情報が漏えい

静岡市の難波喬司市長は10月14日に緊急会見を開き、アルカディアへの不正アクセスによって、市の防災情報メールなどに登録された約4万3000人分の情報が漏えいしたとして謝罪しました。

主な対象は、

  • 静岡市防災メール
  • 認知症しずメール
  • 市職員向けシステム
  • 電話発信サービス
  • 清水病院の緊急連絡システム

などです。

防災メールは約4万1000件規模

静岡朝日テレビが10月13日に報じた時点では、

  • 静岡市防災メール:約4万1251件
  • 認知症しずメール:1779件

が対象サービスとして確認されていました。

その後、市職員向け情報なども含めて調査が進み、市は約4万3000人分の情報が漏えいしたと説明しています。

難波喬司市長が緊急会見で謝罪

難波喬司市長は10月14日の会見で、市民や関係者に心配をかけているとして謝罪しました。

静岡市ではアルカディアのシステムを複数の行政サービスで利用していたため、市民向けの防災情報だけでなく、職員情報にも影響が及んでいます。

静岡市職員20人以上に不審メール

静岡市では、不正アクセス発覚後、クレジットカード会社を装った不審メールが市職員少なくとも20人に届いたことも確認されています。

難波市長は、危機管理部や秘書課など身近な職員だけでも20人ほどに届いていると説明しています。

ただし、この不審メールが今回漏えいしたデータを直接利用して送られたと最終確認されたわけではありません。

クレジットカード情報も漏れた?

SpeeCAN RAIDENではクレジットカードなどの決済情報を扱っていません。

アルカディアは、クレジットカード情報は今回のSpeeCAN RAIDENからの漏えい対象ではないと明記しています。

そのため、カード会社を装うメールが届いたからといって「カード番号がアルカディアから流出した」という意味ではありません。

むしろ、メールアドレスや氏名などを足掛かりとして、

「カードが不正利用されています」

「本人確認してください」

などと偽サイトへ誘導するフィッシング詐欺に警戒する場面です。

NET119・119RAIDENにも不正アクセス

アルカディアは10月14日午後3時、詳細調査の結果、NET119と119RAIDENにも第三者による不正アクセスの形跡が確認されたと発表しました。

これが「別の防災システムでも約12万件」と報道されている部分です。

NET119は最大約1万3000件

NET119は、聴覚や言語に障害があり音声で119番通報することが難しい人が、スマートフォンなどから文字で緊急通報できるシステムです。

漏えいした可能性がある情報は、

  • 氏名
  • 生年月日
  • 性別
  • 住所
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • FAX番号
  • 登録時に入力したその他の情報

で、最大約1万3000件です。

なお、10月14日17時12分の更新で、映像通報については現時点で漏えいの可能性はないとされています。

119RAIDENは消防職員・消防団員などが利用

119RAIDENは、消防職員や消防団員への一斉連絡などに使われるサービスです。

アルカディアが公表した最大件数は、

情報最大件数
メールアドレス約9万7000件
電話番号約1万7000件
FAX番号約400件

です。

テレビ朝日は、NET119などを含む別システムについて約12万件の個人情報に漏えいの恐れがあると報じています。

なお、メールアドレス・電話番号・FAX番号は情報項目別の件数であり、単純に合計して「約11万4400人」と考えることはできません。

浜松市消防局でも約2400人規模に影響

10月15日には、浜松市消防局が利用する119RAIDENとNET119でも個人情報漏えいの可能性が確認されました。

浜松市によると、119RAIDENでは消防団員などの氏名・メールアドレス・電話番号が対象で、メール登録者2159人、電話登録者394人。NET119についても登録者情報が対象となっています。

静岡放送は、119RAIDENが2223人分、NET119が174人分に上ると報じています。集計方法が異なるため、人数と登録件数を混同しないよう注意したいところです。

アルカディア情報漏えいの原因は?

アルカディアが公式に公表している原因は、第三者による不正アクセスです。

10月13日までに外部からの侵入経路を特定し、不正アクセス元のIPアドレスを遮断しています。

一方、

  • 具体的にどの脆弱性が悪用されたのか
  • ID・パスワードが盗まれたのか
  • どのような攻撃ツールが使われたのか
  • 攻撃者は誰なのか
  • 国内外のどこから攻撃されたのか

といった詳細は10月15日時点で公表されていません。

したがって、現段階で「原因は○○というセキュリティ欠陥だった」「犯人は○○だった」と断定できる情報はありません。

攻撃者・犯人は特定された?

アルカディアは不正アクセス元のIPアドレスを特定し、遮断したとしています。

しかし、IPアドレスの特定と実際の攻撃者本人の特定は別です。

10月15日時点で、攻撃者が逮捕された、個人や組織が特定されたといった発表はありません。

アルカディアは警察にも相談・通報し、原因や影響範囲の調査を続けています。

自分の自治体が対象か確認する方法

2026年10月15日時点では、アルカディアのサイトに住所やメールアドレスを入力して「対象・対象外」を判定する一般利用者向けページはありません。

自分が対象か知りたい場合は、登録している自治体の公式ホームページを確認する方法が確実です。

確認する際は、

「○○市 アルカディア」

「○○市 SpeeCAN RAIDEN」

「○○市 防災メール 不正アクセス」

「○○市 NET119」

などで自治体公式発表を確認すると、対象サービスや漏えいした可能性がある情報が分かります。

例えば知多市はアルカディアのシステムを使っていますが、市民向けではなく職員用の災害時参集メールだけだったため、市民の個人情報漏えいはないと説明しています。

つまり、アルカディアを利用している自治体=住民情報が漏えいした自治体とは限りません。

不審メールが届いたときの対処法

アルカディアは今回の問題を受け、二次被害への注意を呼びかけています。

不審なメールやメッセージが届いた場合は、

  • 氏名や住所を入力しない
  • パスワードを入力しない
  • 銀行口座情報を入力しない
  • メール本文のURLを開かない
  • 添付ファイルを開かない

よう案内しています。

静岡市も、行政機関や企業を装う不審メールについて、URLへのアクセス、添付ファイルの開封、個人情報・認証情報の入力を行わず削除するよう呼びかけています。

URLを開いてしまったらどうする?

URLを開いただけで必ず個人情報が盗まれたとは限りません。

ただし、リンク先で、

  • ID・パスワード
  • クレジットカード番号
  • セキュリティコード
  • 銀行口座情報
  • SMS認証コード

などを入力してしまった場合は、利用しているサービスやカード会社、金融機関へ早めに連絡する必要があります。

パスワードを入力した場合は、同じパスワードを使っている別サービスについても変更を検討した方がよいでしょう。

防災メールはいつ復旧する?

ここは10月15日に状況が動いています。

アルカディアは10月15日午後1時30分の第8報で、緊急停止していた、

  • SpeeCAN RAIDEN「raiden3.ktaiwork.jp」
  • ライデン・スクール「s2.ktaiwork.jp」

について、安全性を社内で確認したとして、同日午後3時ごろをめどに復旧する予定と発表しました。

アルカディア公式ブログはその後、該当する緊急停止サービスについて「現在は復旧しております」と表示しています。

自治体ごとのメール配信再開は別に確認

アルカディア側のサーバーが復旧しても、自治体側が直ちに防災メールの配信を再開するとは限りません。

各自治体が安全性を確認したうえで再開する場合があるため、自分が利用している防災メールについては自治体公式サイトの最新案内を確認する必要があります。

例えば一宮市は10月15日時点で新規登録を停止し、安全対策を確認後に再開する方針としています。

NET119・119RAIDENは停止している?

NET119と119RAIDENについて、アルカディアは10月14日の発表時点でサービス停止を予定しておらず、通常通り利用できるとしています。

SpeeCAN RAIDENの一部環境が緊急停止したケースとは対応が異なります。

消防・救急に関係するサービスのため、利用している人が自己判断で利用をやめるのではなく、各消防本部や自治体の案内を確認した方がよいでしょう。

防災メールが届かない場合の代替手段

今回のように防災メールが一時停止している場合は、別の情報源も確認する必要があります。

主な代替手段は、

  • 自治体公式ホームページ
  • 自治体公式LINE
  • 自治体公式X
  • 防災行政無線
  • 気象庁
  • 都道府県の防災サイト
  • テレビ・ラジオ

などです。

下関市も防災メール停止中、ホームページやLINEで停止状況を案内していました。

アルカディアは今後どう対応する?

アルカディアは10月15日の第7報で、個人情報保護委員会へ報告したほか、

  • 警察
  • ISMS事務局
  • プライバシーマーク事務局
  • 近畿総合通信局
  • 近畿経済産業局

などへ相談・通報していることを公表しました。

さらにNET119・119RAIDENで影響が見つかったことを受け、調査対象を全サービスへ拡大しています。

今後は、実際に外部へ持ち出された情報の特定や、不正プログラムがほかのシステムに存在していないかなどを調べることになります。

アルカディア不正アクセスを時系列で確認

日時出来事
10月11日16時30分SpeeCAN RAIDENで不審な挙動を確認
10月12日3時ごろ侵入経路をふさぐ応急措置
10月13日外部からの侵入経路を特定
10月13日11時一部のSpeeCAN RAIDEN・ライデン・スクールを緊急停止
10月13日18時47分メール最大約313万6000件などに漏えい可能性を発表
10月14日10時40分不審メールなど二次被害への注意喚起
10月14日静岡市が約4万3000人分の情報漏えいを発表、難波市長が謝罪
10月14日15時NET119・119RAIDENにも不正アクセスの形跡を確認
10月14日16時119RAIDENの一部URLを対象外へ訂正
10月14日17時総務省集計で全国111自治体などに影響
10月14日17時12分NET119の映像通報は漏えい可能性なしと更新
10月15日10時12分個人情報保護委員会・警察などへの報告状況を公表
10月15日13時30分緊急停止した一部サービスを15時ごろ復旧予定と発表
10月15日午後アルカディア公式ページで該当サービスを「現在は復旧」と表示

アルカディア情報漏えいで現在分かっていること

2026年10月15日時点で、アルカディアへの不正アクセスは全国の自治体、防災・防犯メール、職員参集システム、消防関係サービスなどへ広がっています。

総務省によると、10月14日午後5時時点で全国111自治体などに影響が出ています。これは漏えい確定自治体の数ではなく、サービス停止や情報漏えいの可能性など何らかの影響が確認された自治体などの数です。

SpeeCAN RAIDENでは最大約313万6000件のメールアドレス、約10万5000件の電話番号、約1万5000件のFAX番号などに漏えいの可能性があります。ただし、いずれも最大推定件数です。

さらにNET119では最大約1万3000件、119RAIDENではメールアドレス約9万7000件・電話番号約1万7000件などにも影響の可能性があり、テレビ朝日は消防関係などの別システムについて約12万件規模と伝えています。

静岡市では、防災メールなどに関連して約4万3000人分の情報が漏えいしたと発表され、難波喬司市長が謝罪しました。市職員少なくとも20人にはカード会社を装った不審メールも届いています。

なお、クレジットカード情報はSpeeCAN RAIDENで取り扱っておらず、今回の同システムからの漏えい対象ではありません。

10月13日から停止していたSpeeCAN RAIDENとライデン・スクールの一部環境については、アルカディアが10月15日に安全性を確認し、復旧を進めました。ただし、各自治体の防災メールがすべて同時に再開したわけではありません。

今後は、111自治体などの最終的な影響範囲、実際に漏えいした情報と人数の確定、不審メールを含む二次被害の有無、攻撃手法・攻撃者の解明、各自治体での防災メール完全復旧と再発防止策が確認点となります。