
静岡県伊東市の田久保真紀前市長をめぐり、2026年8月25日に新たな情報が報じられました。
田久保前市長の自宅から押収されたパソコンを警察が解析したところ、偽造された卒業証書とみられるデータが見つかったというものです。
田久保前市長はすでに有印私文書偽造・同行使と地方自治法違反の罪で在宅起訴されていますが、弁護側は裁判で無罪を主張する方針とされています。
「PCに卒業証書のデータがあるのに、なぜ無罪を主張するの?」「田久保真紀前市長はこれからどうなる?」と疑問を感じた人も多いのではないでしょうか。
現段階では有罪・無罪は決まっておらず、今後の裁判では、卒業証書を実際に誰が作ったのか、パソコン内のデータがどのように作成・保存されたのかなどが大きな争点になりそうです。
田久保真紀前市長はどうなる?現在は在宅起訴され裁判へ
田久保真紀前市長は現在、伊東市長ではありません。
2025年に市議会から2度の不信任決議を受けて失職し、同年12月14日の出直し市長選にも立候補しましたが、4131票で落選しました。
現在は前市長という立場で、2026年3月30日に静岡地検から在宅起訴された刑事裁判を控えています。
2026年3月30日に有印私文書偽造・同行使などで在宅起訴
静岡地検が田久保前市長を在宅起訴した罪名は、
- 有印私文書偽造
- 偽造有印私文書行使
- 地方自治法違反
です。
起訴状によると、田久保前市長は東洋大学を除籍されていたにもかかわらず、2025年5月29日から6月4日までの間に、卒業者として自身の名前を記載し、インターネットを通じて業者に作らせた学長や法学部長の印鑑を使って卒業証書を偽造したとされています。
さらに、6月4日に伊東市役所で市議会の議長・副議長らにその書類を見せたとされています。
もう一つの地方自治法違反は、2025年8月13日の百条委員会で宣誓したうえで、大学を除籍されていたことを知った時期について虚偽の証言をしたという起訴内容です。
公職選挙法違反など追加3容疑は不起訴
田久保前市長をめぐっては、これとは別に2026年6月、
- 公職選挙法違反
- 虚偽公文書作成・同行使など
- 別の地方自治法違反
の3容疑についても追送検されていました。
しかし、静岡地検は6月10日、いずれも嫌疑不十分として不起訴処分としています。
つまり、これから裁判で争われる中心は、3月30日に起訴された「卒業証書の偽造・行使」と「百条委員会での虚偽陳述」です。
田久保真紀前市長のPCから卒業証書データ!何が見つかった?
2026年8月25日、新たに明らかになったのが田久保前市長のパソコンに残っていたデータです。
静岡朝日テレビや静岡放送などによると、警察が2026年2月に田久保前市長の自宅を家宅捜索した際、パソコンを押収していました。
その後のサイバー捜査で端末を解析した結果、偽造された卒業証書とみられるデータが見つかったと報じられています。
自宅から押収されたパソコンを警察が解析
静岡朝日テレビによると、田久保前市長の自宅から押収されたパソコンを警察が解析した結果、問題となっている卒業証書のデータが確認されました。
警察は、田久保前市長がパソコンで卒業証書を作成し、インターネットで注文した東洋大学学長らの印鑑を押したとみていると報じられています。
田久保前市長本人が卒業証書を作成したとする検察側の主張を考えるうえで、パソコン内のデータは裁判でも注目される証拠の一つになりそうです。
「卒業証書とされる現物」は弁護士が保管
一方、今回パソコンから見つかった「データ」と、以前から問題となっている「卒業証書とされる現物」は別です。
田久保前市長が市議会の正副議長に見せたとされる書類については、代理人弁護士が東京都内の法律事務所で保管しています。
弁護士側は押収拒絶権を理由に捜査機関への提出を拒否しており、2026年2月の家宅捜索でも現物は押収されませんでした。
この対応をめぐっては、伊東市民が2026年8月19日、弁護士を証拠隠滅容疑で東京地検に刑事告発しています。
弁護士側は「弁護人の職責を果たしているだけで、証拠隠滅罪にはあたらない」と反論しています。
PCに卒業証書データがあるのになぜ無罪主張?
今回最も気になるのが、「パソコンから卒業証書データが出てきたのに、なぜ田久保真紀前市長側は無罪を主張するのか」という点です。
静岡第一テレビの報道では、弁護側は「本人は作成していない」とし、「第三者が作成した可能性」を主張するとみられています。
弁護側は「本人は作成していない」と主張する方針
田久保前市長側は、これまでも卒業証書を自分で偽造したという犯罪の成立を否定してきました。
8月25日の新たな報道後も、その方針は変わっておらず、裁判では無罪を主張するとされています。
静岡第一テレビは弁護側の主張について、卒業証書を「本人は作成していない」としたうえで、「第三者が作成した可能性」を主張するとみられると伝えています。
パソコンにデータがあるだけで有罪が決まるわけではない
パソコンからデータが見つかったことは、検察側にとって有力な証拠の一つになるとみられます。
ただ、刑事裁判では「データが端末に存在した」という事実だけではなく、誰が作成したのか、どのような経緯で保存されたのか、本人が偽造する意思を持っていたのかなども含めて証拠に基づいて審理されます。
今回のケースでは、検察側は田久保前市長本人が卒業証書を作成したと主張している一方、弁護側は第三者による作成の可能性を主張するとみられています。
そのため、PC内のデータが本人による偽造をどこまで裏付けるのかが裁判の焦点の一つになります。
田久保真紀前市長の初公判はいつ?公判前整理手続きへ
田久保真紀前市長の裁判について、2026年8月25日時点で具体的な初公判の日付は報じられていません。
起訴直後から弁護側は「公判前整理手続き」を求めており、8月25日の報道でも今後、証拠や争点を確認する公判前整理手続きが行われる見通しと伝えられています。
公判前整理手続きで証拠と争点を確認
公判前整理手続きとは、初公判の前に裁判官・検察官・弁護人が事件の争点や証拠を確認する手続きです。
田久保前市長側は起訴直後、検察側がどのような証拠に基づいて起訴したのかを把握するため、静岡地裁にこの手続きを請求したと報じられています。
静岡朝日テレビは4月時点で、公判前整理手続きが行われれば初公判までの日程が長引く見通しと伝えていました。
今回、PCから卒業証書データが見つかったこともあり、そのデータを含む証拠が裁判でどう評価されるのか注目されます。
田久保真紀前市長は法廷で無罪を主張する方針
8月25日の静岡放送などの報道では、田久保前市長側が裁判で無罪を主張する方針だと伝えられています。
初公判では通常、起訴内容について被告側が認めるのか否認するのかが示されます。
報道通りであれば、田久保前市長は卒業証書の偽造などについて否認し、本格的に検察側と争う裁判になるとみられます。
田久保真紀前市長が有罪なら刑罰はどうなる?
田久保真紀前市長は、有印私文書偽造・同行使と地方自治法違反の罪に問われています。
どのような刑になるかは裁判所が証拠や事情を踏まえて判断するため、現時点で実刑・執行猶予などを予測することはできません。
一方、それぞれの法律に定められている法定刑は確認できます。
有印私文書偽造の法定刑は3カ月以上5年以下の拘禁刑
刑法159条では、行使する目的で他人の印章などを使用し、事実証明などに関する文書を偽造した場合、3カ月以上5年以下の拘禁刑と定められています。
また刑法161条では、偽造された私文書を事情を知って行使した場合も、偽造した場合と同じ刑を科す規定があります。
e-Gov法令検索でも、2026年現在の有印私文書偽造について「三月以上五年以下の拘禁刑」と規定されています。
百条委員会での虚偽陳述も3カ月以上5年以下の拘禁刑
地方自治法100条7項では、議会の調査で宣誓した証人が虚偽の陳述をした場合、
「三箇月以上五年以下の拘禁刑」
とされています。
田久保前市長は、百条委員会で大学の除籍を知った時期について虚偽の証言をしたとして、この規定でも起訴されています。
ただし、複数の罪で起訴されているからといって、それぞれの上限を単純に足した刑になるわけではありません。
最終的な刑罰は、裁判所による事実認定や法律上の罪数処理、量刑判断によって決まります。
田久保真紀前市長の退職金192万円はどうなる?
刑事裁判とは別に、田久保真紀前市長の退職金も現在止められています。
静岡放送によると、伊東市は田久保前市長に支払われる予定だった約192万円の退職金について、市の条例に基づき支給を差し止めています。
現在は約192万円の退職金を支給停止
田久保前市長は市長を失職していますが、退職金約192万円はまだ支払われていません。
伊東市は刑事裁判の結果を待っている状態です。
静岡放送によると、裁判で有罪となり、拘禁刑以上が確定した場合には退職金を支給しない扱いになるとしています。
逆に、無罪判決となった場合を含め、最終的な退職金の扱いは裁判結果と市の条例に基づいて判断されることになります。
田久保真紀前市長に損害賠償請求?選挙費用をめぐる裁判も
田久保真紀前市長をめぐっては、刑事裁判とは別に損害賠償の問題も動いています。
伊東市は3月時点で、田久保前市長が刑事裁判で有罪判決を受けた場合、損害賠償請求を検討する考えを示していました。
さらに、市民側からも選挙にかかった費用を田久保前市長に請求するよう求める動きが起きています。
市議選と市長選の費用約8220万円をめぐり住民監査請求
2026年5月には市民団体が、田久保前市長をめぐって行われた選挙費用について住民監査請求を行いました。
対象とされたのは、
- 議会解散に伴う市議選:約4950万円
- 失職後の市長選:約3270万円
- 合計:約8220万円
です。
市民側は、一連の学歴問題がなければこれらの選挙費用は発生しなかったとして、伊東市が田久保前市長に請求するよう求めました。
住民監査請求は棄却された
ただし、伊東市の監査委員は2026年7月2日、この住民監査請求を棄却しています。
監査側は、不信任決議に対して市長が議会を解散することは法律で認められた手続きであることなどから、市に田久保前市長への損害賠償請求権が発生しているとはいえないと判断しました。
市民が約4950万円の請求を求め住民訴訟
監査請求の棄却後も動きは続いています。
2026年7月30日、伊東市の住民が、市議会解散に伴って行われた市議選の費用約4950万円を田久保前市長へ損害賠償請求するよう杉本憲也市長に求め、静岡地裁に住民訴訟を起こしました。
この訴訟は田久保前市長が刑事事件で有罪か無罪かを判断する裁判とは別です。
そのため、田久保前市長をめぐっては今後、刑事裁判と選挙費用をめぐる民事上の争いが並行して進む可能性があります。
田久保真紀前市長は有罪になる?無罪になる?
PCから卒業証書データが見つかったという新情報から、「これで有罪なのでは?」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、2026年8月25日時点では田久保真紀前市長は「被告」であり、有罪判決が出た人物ではありません。
検察側は、田久保前市長本人が学長らの印鑑を発注して卒業証書を偽造したと主張しています。
一方、弁護側は本人による作成を否定し、第三者が作った可能性を主張する方針と報じられています。
PCデータを裁判所がどう評価するかが焦点
これからの裁判では、
- パソコン内の卒業証書データ
- 印鑑を発注したとされる経緯
- 市議会正副議長へ示したとされる書類
- 卒業証書とされる現物
- 百条委員会での証言
- 本人や関係者の供述
などが審理の対象になるとみられます。
特に今回新たに判明したパソコン内のデータが、田久保前市長自身による卒業証書作成をどこまで裏付けるのかは注目されるポイントです。
裁判所が検察側と弁護側双方の証拠や主張を踏まえたうえで、有罪か無罪かを判断することになります。
田久保真紀前市長は今後どうなる?裁判・退職金・損害賠償まとめ
田久保真紀前市長は、2025年に伊東市長を失職し、出直し市長選でも落選したため、現在は市長職には就いていません。
さらに2026年3月30日、有印私文書偽造・同行使と地方自治法違反の罪で在宅起訴され、刑事裁判を控えています。
そして8月25日、警察が自宅から押収したパソコンの中から、偽造された卒業証書とみられるデータが見つかっていたことが新たに判明しました。
一方、弁護側は「本人は作成していない」として第三者が作成した可能性を主張し、裁判では無罪を求める方針とされています。
今後のポイントは、
- 公判前整理手続きで証拠・争点を確認
- 初公判で田久保前市長側が無罪主張
- PC内の卒業証書データを裁判所がどう評価するか
- 有印私文書偽造・同行使が成立するか
- 百条委員会での証言が地方自治法違反に当たるか
- 約192万円の退職金を支給するか
- 選挙費用をめぐる損害賠償問題がどう決着するか
という流れになります。
初公判の具体的な日程は、8月25日時点では公表されたとの報道は確認できません。
PCから卒業証書のデータが見つかったことは大きな新情報ですが、それだけで裁判の結論が決まったわけではありません。
田久保真紀前市長が「どうなるのか」は、これから始まる刑事裁判で、卒業証書を誰が作成したのか、本人がどこまで関与していたのかがどのように認定されるかによって大きく変わってきます。
