神奈川県警が旧免許証を不正利用か!30年前からの実態とは?
神奈川県警が旧免許証を不正利用か!30年前からの実態とは?

2026年10月22日、神奈川県警で運転免許証の更新時に回収した古い免許証を、本来の目的とは異なる警備活動に利用していた問題が明らかになりました。

警察庁によると、神奈川県警では交通課が回収した旧運転免許証を警備課へ引き渡し、警備対象者の顔写真などを収集していたとされています。

しかも、こうした取り扱いは約30年前の平成初期から続いていた可能性があるというのです。

問題が発覚したきっかけは、2026年8月に保土ケ谷警察署の20代男性巡査長が、一般市民の旧免許証31枚が入ったリュックサックを駅に置き忘れたことでした。

その後の調査では、港北警察署で回収した免許証が警備課に引き渡されていたことが判明。さらに、同様の運用が少なくとも5つの警察署で確認されたと報じられています。

10月22日、警察庁の楠芳伸長官は記者会見で、こうした運用が個人情報保護法に抵触する可能性が高いとの認識を示しました。

「なぜ一般市民の旧免許証が警備部門に渡っていたのか」「顔写真は何に使われていたのか」「自分の免許証も不正利用された可能性があるのか」と、不安に感じる人もいるのではないでしょうか。

この記事では、神奈川県警の旧免許証不正利用問題について、発覚の経緯、約30年前からの運用、警備部門による顔写真収集の目的、個人情報保護法上の問題、全国調査、データ削除、今後の処分や旧免許証の返却ルールまで詳しく解説します。

神奈川県警が旧免許証を不正利用か!何があった?

神奈川県警の旧免許証問題は、警察官個人による免許証の一時紛失をきっかけに、警察内部で長年行われていた不適切な個人情報の取り扱いが明らかになったものです。

2026年10月22日の共同通信や毎日新聞によると、港北署では、交通課が免許更新時に回収した旧免許証を警備課に引き渡していました。

警備部門は、その中から警備対象者に関する情報を調べ、顔写真などを収集していたとされています。

旧免許証の不正利用問題の概要

項目内容
問題が明らかになった日2026年10月22日
発覚のきっかけ男性巡査長による旧免許証31枚の一時紛失
一時紛失した時期2026年8月22日未明
発覚に関係した警察署港北署・保土ケ谷署
持ち出した警察官保土ケ谷署警備課の20代男性巡査長
旧免許証の枚数31枚
問題となった運用交通課から警備課への旧免許証の引き渡し
情報の利用目的警備対象者の顔写真などの収集
運用が始まった可能性のある時期約30年前、平成初期
同様の運用が確認された署5署
県警の調査対象全54署
全国調査警察庁が実施
法律上の問題個人情報保護法に抵触する可能性が高い
再発防止旧免許証を穴を開けて原則返却する方針

今回問題になったのは、旧免許証に記載された個人情報を、免許行政とは別の業務に使っていたという点です。

運転免許証には、顔写真だけでなく氏名、生年月日、住所などが記載されています。

そのため、適切な管理や利用目的の制限が求められます。

旧免許証を交通課から警備課へ渡していた

通常、運転免許の更新業務は警察の交通部門が担当します。

一方、今回の問題では、港北署の交通課が回収した旧免許証を警備課へ引き渡していたとされています。

しかも、特定の人物の免許証だけではなく、回収した旧免許証をまとめて引き渡していたということです。

警備課では、その中から警備対象となる人物の情報を調べ、顔写真などを警備活動に利用していたと報じられました。

これは、免許更新のために提出された個人情報が、本人の知らないところで別の目的に使用されていた可能性を示しています。

一般市民の旧免許証も対象だった?

毎日新聞の10月22日の報道によると、港北署では免許更新時に回収した旧免許証を網羅的に警備課へ引き渡していました。

つまり、過激派や右翼の関係者など、警備対象者として把握されていた人の免許証だけが引き渡されていたわけではありません。

警備対象者ではない一般市民の旧免許証も、警備課に渡っていたとされています。

ただし、警備課に渡された全員の顔写真がデータベースに登録されたと確認されたわけではありません。

旧免許証そのものの引き渡しと、そこから情報を抽出して登録する行為は区別する必要があります。

神奈川県警はなぜ旧免許証を流用?顔写真収集の目的とは

今回の問題で特に注目されているのが、警備部門が旧免許証を何のために利用していたのかという点です。

警察庁によると、旧免許証は過激派や右翼、ローンオフェンダーなど、警備上の対象となる人物の顔写真収集に使われていたとみられています。

過激派や右翼関係者の顔写真を収集

毎日新聞によると、警備課は回収された旧免許証の中から、警備対象となっている人物のものを抜き出していました。

対象として報じられているのは、過激派や右翼の活動家などです。

警備部門では、テロなどの重大な事件の防止や情報収集などを担当します。

しかし、警備活動が必要だからといって、免許更新時に回収した個人情報を無条件で利用できるわけではありません。

今回の問題では、情報取得の目的や必要性が適切に判断されていたかが問われています。

ローンオフェンダー(LO)の情報も収集対象?

今回の報道では、ローンオフェンダー(LO)と呼ばれる人物も情報収集の対象として挙げられています。

ローンオフェンダーとは、一般に組織から直接指示を受けず、単独でテロなどの重大な暴力行為を実行する人物を指す言葉です。

警察の警備部門では、こうした行為への対応も重要な課題となっています。

ただし、今回の問題で「ローンオフェンダー」と判断された人の人数や、どのような基準で情報を収集していたのかは明らかになっていません。

また、収集された人が実際に犯罪を行ったという意味でもありません。

なぜ旧免許証の顔写真が必要だった?

旧運転免許証には、顔写真や氏名など、本人の識別につながる情報が含まれています。

今回の報道では、警備対象者の顔写真を収集するために、回収された免許証が利用されていたとされています。

ただし、具体的にどの警備活動で写真が使われていたのか、写真をどのような方法で保存・照合していたのかについては、詳しい情報が公表されていません。

顔写真を収集したという事実と、顔認証システムによる自動監視が行われていたということは別です。

また、旧免許証の情報が外部の民間企業に提供されていたという報道も確認されていません。

旧免許証の流用は組織的だった?

港北署では交通課から警備課へ旧免許証を渡す運用が行われていました。

さらに、複数の署で同様の取り扱いが確認され、約30年前から続いていたとの証言もあります。

このことから、特定の警察官が一度だけ行った行為ではなく、組織的・継続的な運用だった可能性があります。

ただし、神奈川県警本部がいつから把握していたのか、誰が運用を指示したのか、全警察署で同じ取り扱いが行われていたのかについては調査中です。

「複数の署で常態化していた可能性」と「県警全体で一律に実施されていたことが確定した」という説明は区別する必要があります。

神奈川県警の旧免許証流用は30年前から?平成初期からの実態

2026年10月22日の報道で大きな問題となったのが、旧免許証の目的外利用が約30年前から続いていた可能性です。

毎日新聞によると、神奈川県警が警備部門での勤務経験が長い複数の職員に事情を聴いたところ、平成1桁の時期から同様の運用が行われていたとの説明が得られました。

「平成1桁」から行われていたとの証言

平成1桁とは、平成元年から平成9年までの期間を指します。

西暦では1989年から1997年までです。

2026年から考えると、約29〜37年前に当たります。

今回の報道で「約30年前から」とされているのは、警備部門に所属した経験のある職員から、この時期にはすでに運用が存在していたという証言が得られたためです。

ただし、正確な開始年月日が確認されたわけではありません。

1989年から継続していたことや、30年間にわたり毎日同じ運用が行われていたことが証明されたわけでもありません。

少なくとも5つの警察署で確認

毎日新聞は、同様の取り扱いが5つの警察署で確認されたと報じています。

一方、今回具体的な署名が明らかになっているのは、旧免許証の引き渡しが判明した港北署と、巡査長が現在所属する保土ケ谷署です。

ここで注意したいのは、保土ケ谷署の警察官が免許証を紛失したことと、保土ケ谷署で交通課から警備課への同じ運用が確認されたことは別という点です。

残る署の名称や、それぞれの運用開始時期、保存されている情報の件数については、確認できた報道では明らかになっていません。

神奈川県警の全54署を調査

神奈川県警は、県内の全54署を対象として実態を調べています。

調査の主な焦点は、旧免許証を交通部門から警備部門へ引き渡す運用がほかにも存在したか、いつから行われていたか、取得情報をどのように管理していたかといった点です。

調査対象現時点での状況
港北署交通課から警備課への引き渡しが判明
保土ケ谷署所属巡査長による旧免許証の一時紛失が発覚
同様の運用が報じられた署5署
神奈川県警全体54署の実態を調査
全54署での実施確認されていない
過去の取得件数未確定
情報を登録された人数未確定

つまり、5署で確認されたという情報から、54署すべてで不適切な運用があったと結論づけることはできません。

また、5署という数字を、そのまま全国の実施署数と考えることもできません。

港北署・保土ケ谷署で何が起きた?旧免許証31枚の紛失事件

今回の問題が表面化したきっかけは、2026年8月22日未明に起きた、20代男性巡査長によるリュックサックの置き忘れでした。

当時、巡査長は神奈川県警保土ケ谷署の警備課に所属していました。

しかし、リュックサックの中から見つかった31枚の旧免許証は、以前勤務していた港北署で受け取ったものだったとされています。

保土ケ谷署の20代男性巡査長がリュックを置き忘れ

10月9日のTBS NEWS DIGによると、巡査長は飲食店で酒を飲んだ後、電車の駅のホームにリュックサックを置き忘れました。

中には一般市民から回収した旧免許証が入っていました。

駅員がリュックサックを見つけ、警察へ届け出たことで、免許証の持ち出しが発覚しました。

31枚の旧免許証は逗子市内の駅で発見

10月22日の共同通信などの続報では、発見された旧免許証の枚数は31枚とされています。

また、リュックサックを置き忘れた場所については、神奈川県逗子市内の駅だったと報じられています。

項目内容
発生時期2026年8月22日未明
場所神奈川県逗子市内の駅
当事者20代の男性巡査長
当時の所属保土ケ谷署警備課
以前の所属港北署警備課
持ち出したもの旧運転免許証31枚
保管方法通勤用リュックサックに入れていた
発見者駅員
発覚の経緯警察への落とし物の届け出
現在の所在リュックサックは回収済み

なお、報道で「約30枚」と「31枚」という2つの表現があるのは、初報では概数が用いられ、続報では正確な枚数が明らかになったためです。

31枚は港北署管内の住民のもの

巡査長は2026年3月まで港北署の警備課に勤務していたと報じられています。

31枚の免許証は、その勤務時に港北署交通課から受け取ったものでした。

港北署では、運転免許更新時に回収した旧免許証を、交通課から警備課へ引き渡す運用があったとされています。

そのため、今回の問題は、個々の警察官が免許証を自宅へ持ち帰った疑いだけでなく、そもそも旧免許証が警備課へ渡されていたという管理上の問題にも広がりました。

紛失した免許証は悪用された?

今回のリュックサックは、駅員によって発見され、警察に返還されています。

10月9日の初報では、持ち出された旧免許証が犯罪や不正な目的に利用された事実は確認されていないと伝えられました。

ただし、これは31枚が第三者の犯罪に使われたことが確認されていないという意味です。

一方、10月22日には、警察内部での警備情報収集に旧免許証が目的外利用されていた問題が明らかになりました。

つまり、次の2つは区別する必要があります。

問題確認状況
旧免許証31枚の一時紛失確認済み
第三者による詐欺などへの悪用確認されていない
警備部門への旧免許証引き渡し判明
警備目的での顔写真収集報道あり
外部への情報漏えい全容は未確認

巡査長が置き忘れたリュックサックを誰かが不正利用したという情報はありません。

しかし、31枚の免許証に含まれる情報が一時的に警察の管理を離れたことと、警察内部で不適切な利用が行われていたことは、それぞれ検証が必要な問題です。

神奈川県警の旧免許証問題は違法?個人情報保護法に抵触する可能性

今回の問題について、警察庁は個人情報保護法に抵触する可能性が高いと説明しています。

2026年10月22日の記者会見では、楠芳伸警察庁長官が、交通課から警備課への旧免許証の引き渡しは個人情報の目的外利用に当たるとの認識を示しました。

楠芳伸警察庁長官が会見で陳謝

楠長官は、神奈川県警でこうした個人情報保護法上の問題となる行為が行われていたことについて、あってはならないことだという趣旨の説明をしました。

さらに、警察庁として重く受け止めていることを明らかにしています。

この会見で重要なのは、警察庁が単なる保管ミスではなく、個人情報の目的外利用そのものを問題視したことです。

ただし、「個人情報保護法に抵触する可能性が高い」という評価と、関係職員の刑事責任が確定したということは同じではありません。

個人情報保護法第69条とは?

個人情報保護法第69条では、行政機関などが保有する個人情報について、法令に基づく場合を除き、特定された利用目的以外で利用・提供することを原則として禁止しています。

ただし、同条には例外もあります。

例えば、行政機関が法令上の業務を遂行するために必要な範囲で内部利用し、相当の理由がある場合などには、目的外利用が認められることがあります。

重要なのは、警察内部であればどの情報でも自由に共有できるというわけではないことです。

今回の場合、港北署では交通課が回収した旧免許証を警備課へ一括して渡していたとされています。

毎日新聞によると、個別に必要性や相当の理由を判断する運用が確認できないことから、警察庁は個人情報保護法に抵触する可能性が高いと判断しています。

なぜ警備活動でも問題になる?

警備活動には、公共の安全を守るという目的があります。

しかし、行政機関が保有する個人情報を別の目的で利用する場合には、法令上の根拠や適切な判断が求められます。

今回問題となったのは、免許更新という目的で回収された個人情報を、個々の必要性を判断せず警備部門へ渡していたことです。

個人情報保護委員会のガイドラインでも、目的外利用が例外的に認められる場合の「相当の理由」は、客観的にみて合理的な理由である必要があると説明されています。

また、恒常的な目的外利用については、あらかじめ利用目的を特定することなどが必要とされています。

関係職員には罰則が科される?

個人情報保護法に関する問題が確認されたからといって、関係職員全員に刑罰が科されるわけではありません。

実際にどのような責任が問われるかは、職員の行為や適用される法律、内部規程、調査結果によって異なります。

今回の問題では、次のような責任が検討対象になると考えられます。

  • 個人情報の取り扱いに関する組織上の責任
  • 旧免許証を適切に保管・廃棄しなかった責任
  • 外部への無断持ち出しや一時紛失に関する服務上の責任
  • 不適切な運用を指示または容認していた場合の管理監督責任

一方、2026年10月22日時点で、関係職員が今回の件で起訴されたという情報は確認できません。

また、個別の職員について懲戒処分が確定したという発表も確認できていません。

警備課のデータベースに顔写真を登録?不正収集した情報は削除される?

今回の問題では、警備課が旧免許証から取得した顔写真などをデータベースに追加していたと報じられています。

そのため、旧免許証を警備課へ渡すだけでなく、そこから得た情報を継続して保管・利用していた可能性が問題となっています。

顔写真などを警備部門のデータベースに登録

毎日新聞によると、警備部門は回収された旧免許証の中から警備対象者のものを選び、顔写真などをデータベースへ登録していたとされています。

ただし、登録件数や保存期間、写真以外にどのような情報が記録されていたのかは公表されていません。

また、データベースがほかの都道府県警と共有されていたのか、顔認証による照合が実施されていたのかについても確認できていません。

不適切に収集されたデータは削除する方針

警察庁は、不適切に取得された情報について削除する方針を示しています。

一方、捜査関係事項照会など、刑事訴訟法に基づいて適法に取得された情報は、削除の対象から除外されると報じられています。

つまり、警備部門に登録されたすべての人物情報を無条件で削除するという説明ではありません。

情報ごとの取得経緯や法的根拠などを確認したうえで、削除対象を判断すると考えられます。

ただし、削除作業がいつ完了するのか、削除対象が何人分になるのかは未確定です。

何人分の個人情報が利用された?

今回、リュックサックから発見された旧免許証は31枚でした。

しかし、約30年前からの運用が疑われていることを考えると、過去に警備課へ渡された免許証は、これより多かった可能性があります。

ただし、実際の総枚数は分かっていません。

また、免許証を警備課へ渡された人数と、データベースに顔写真を登録された人数も同じとは限りません。

そのため、「数万人分の個人情報を不正登録していた」など、確認されていない数字を事実として扱うことはできません。

警察庁が全国調査を開始!他県警でも同じことが行われていた?

神奈川県警の旧免許証問題を受け、警察庁は全国の警察を対象に調査を開始しました。

今回の問題が神奈川県警だけに限られるのか、ほかの都道府県警でも同様の運用があったのかが焦点です。

9月に警察庁が調査・指導チームを設置

警察庁は2026年9月上旬、旧免許証の不適切な取り扱いを調べるため、調査・指導チームを設置しました。

毎日新聞によると、10月9日からは都道府県警の監察部門が調査を進めています。

調査では、失効した運転免許証の保管方法、交通部門からほかの部門への引き渡し、目的外利用の有無などが重要になると考えられます。

ただし、調査対象となる具体的な項目や回答期限のすべてが公表されているわけではありません。

全国の都道府県警で同様の運用があった?

2026年10月22日時点で、ほかの都道府県警でも神奈川県警と同様の不適切な運用が確認されたという具体的な調査結果は、今回確認した報道にはありません。

全国調査を行っていることと、全国で違反が発覚したことは別です。

今後、各都道府県警の調査結果が公表されれば、問題の規模が明らかになる可能性があります。

楠芳伸警察庁長官は再発防止を表明

楠長官は10月22日の会見で、個人情報の取り扱いに関する教育を徹底する方針を示しました。

また、警察庁は旧免許証の返却方法についても全国で統一する方針を打ち出しています。

今回の問題は、旧免許証を保管する運用と、警察内部で個人情報を利用する運用の両方を見直す契機になっています。

旧免許証は今後返却される?2026年10月9日の新ルール

今回の問題を受け、警察庁は2026年10月9日、全国の警察に対して旧免許証の取り扱いに関する通達を出しました。

これまで旧免許証の返却については、都道府県警ごとに対応が異なっていました。

今後は、旧免許証に穴を開け、本人に原則返却する取り扱いが示されています。

これまでは返却と回収・廃棄が混在

旧免許証の扱いについては、更新後に本人へ返却する地域と、警察が回収して廃棄する地域がありました。

今回問題となった神奈川県警では、更新する人が返却を希望しない限り、古い免許証を回収する運用だったと報じられています。

本来、回収された免許証は所定の手続きに従って廃棄されることになっていました。

しかし、港北署では警備課へ引き渡されていたということです。

今後は穴を開けて原則返却

警察庁が2026年10月9日に発出した通達は、「有効期間の更新時における旧免許証に関する事務処理上の当面の留意事項について」です。

警察庁の公式通達一覧にも、同日付の文書が掲載されています。

新たな取り扱いのポイントは、次のとおりです。

項目これまで新たな方針
旧免許証の返却地域により対応が異なった原則返却
返却時の処理取り扱いに違いがあった穴を開ける
回収後の保管一部で不適切な運用が発覚適正管理を徹底
警備課への一括引き渡し港北署で確認不適切な目的外利用として是正対象

なお、旧免許証が返却されるとしても、更新前の免許証を有効な身分証明書として使えるわけではありません。

穴が開けられた旧免許証は、失効したものであることを踏まえて取り扱う必要があります。

過去に回収された旧免許証も返してもらえる?

今回の通達は、更新時の旧免許証を原則返却するという取り扱いを示したものです。

過去に回収され、すでに廃棄された免許証を返却することはできません。

また、過去に警備課へ渡された免許証を本人へ返却する予定があるのかについても、具体的な発表は確認できません。

今後、過去の保有情報の調査やデータ削除が進むなかで、対象者への説明方法などが注目されます。

自分の免許証も不正利用された?個人情報の確認方法

今回のニュースを受け、神奈川県で免許証を更新した人の中には、自分の顔写真や個人情報も警備課へ渡されていたのではないかと心配する人もいるでしょう。

しかし、2026年10月22日時点では、対象者全員の氏名や人数が公表されているわけではありません。

神奈川県で更新した人全員が対象なの?

現時点で、神奈川県で免許証を更新した全員の情報が警備課に渡されていたという事実は確認できません。

一方、港北署では交通課で回収した旧免許証を一括して警備課へ渡していたことが明らかになっています。

そのため、港北署で免許更新をした人の中に、警備課へ旧免許証が引き渡された人が含まれている可能性があります。

ただし、どの年度の更新者が対象だったのか、どの範囲の免許証が引き渡されたのかについては、詳しい情報がありません。

個人情報を登録されたか調べる方法は?

現時点では、今回の旧免許証問題に関して、対象者が自分の情報を登録されたかどうかを確認できる専用の検索サービスなどは発表されていません。

一般論として、行政機関が保有する本人の個人情報については、個人情報保護法に基づく開示請求制度があります。

ただし、捜査や公共の安全に関わる情報などは、法律上の不開示事由に該当する場合があります。

そのため、開示請求をすれば必ず警備部門のデータベースへの登録状況が分かるとは限りません。

具体的な相談先や手続きについては、神奈川県警や個人情報保護委員会の公式情報を確認する必要があります。

個人情報が漏えいしたら何をすればよい?

今回の31枚については、リュックサックが発見され、警察に回収されたことが報じられています。

現時点で第三者による不正利用が確認されたという情報はありません。

そのため、今回の事件だけを理由に、すべての人が免許証の再交付を受ける必要があると判断することはできません。

一方、身に覚えのない契約や本人確認の連絡などがあった場合は、発信元を確認し、警察の相談窓口などに相談することが重要です。

不審な連絡があった際は、相手が指定した連絡先をそのまま信用せず、公式サイトなどで確認した窓口を利用しましょう。

神奈川県警の男性巡査長や関係職員は処分される?

旧免許証31枚を持ち出して一時紛失した20代男性巡査長について、神奈川県警は処分を検討していると報じられています。

一方、約30年前からの運用に関わった職員や管理職について、具体的な処分内容が決まったという発表は確認できません。

男性巡査長の処分は未確定

10月9日のテレビ朝日やTBS NEWS DIGは、神奈川県警が巡査長の処分を検討していると報じました。

しかし、10月22日時点で、懲戒免職や停職、減給などの具体的な処分が正式に決定したという情報は確認できません。

そのため、「巡査長が懲戒免職になった」と断定することはできません。

警備課の上司や幹部にも責任はある?

今回の問題では、港北署で交通課が旧免許証を警備課に渡す運用が行われていました。

そのため、個々の警察官だけでなく、運用を管理していた組織や管理職の責任も調査の焦点になると考えられます。

ただし、誰が運用を開始したのか、どの役職の職員が承認していたのかなどは明らかになっていません。

また、警備部門の職員が一律に不正を認識していたという情報もありません。

今後の再発防止策は?

現時点で明らかになっている再発防止の動きは、主に旧免許証の原則返却と全国調査です。

加えて、警察庁は個人情報の適正な管理に関する教育を徹底するとしています。

今後は、回収・保管・廃棄の記録管理や、他部門での情報利用に関する承認手続きなども重要になると考えられます。

ただし、それらの具体的な制度改正がすべて決定したというわけではありません。

神奈川県警の旧免許証問題の時系列

今回の問題は、約30年前からの運用疑惑と、2026年に発生した一時紛失事件の両方を理解することが重要です。

時期出来事
平成初期旧免許証の警備部門への引き渡しがすでに行われていたとの証言
2026年3月まで男性巡査長が港北署警備課に勤務
8月22日未明逗子市内の駅で旧免許証31枚入りのリュックを置き忘れ
8月下旬リュックの回収後、内部調査へ
9月上旬警察庁が調査・指導チームを設置
10月9日旧免許証の持ち出し問題が報道
10月9日警察庁が旧免許証の原則返却を通達
10月9日から都道府県警の監察部門による調査が進む
10月22日約30年前からの目的外利用疑惑が報道
10月22日楠芳伸警察庁長官が会見で問題を重く受け止めると説明
今後全国調査、対象データの削除、関係職員の処分など

神奈川県警の旧免許証不正利用問題に関するよくある質問

Q1. 神奈川県警の旧免許証問題では何があったの?

免許更新時に回収した古い運転免許証を、交通課から警備課へ引き渡し、警備対象者の顔写真などの収集に利用していた問題です。2026年8月の旧免許証31枚の一時紛失をきっかけに発覚しました。

Q2. なぜ旧免許証を警備課へ渡していたの?

過激派や右翼の活動家、ローンオフェンダーなど、警備対象となる人物の顔写真を収集する目的だったと報じられています。

Q3. 30年前から不正利用していたのは本当?

平成初期にはすでに同様の運用が行われていたという証言があり、約30年前から続いていた可能性があります。ただし、正確な開始年月日やすべての実施署は調査中です。

Q4. 31枚の旧免許証はどこで見つかったの?

2026年8月22日未明、保土ケ谷署の20代男性巡査長が逗子市内の駅にリュックサックを置き忘れ、駅員が発見しました。中から港北署管内の住民の旧免許証31枚が見つかりました。

Q5. 神奈川県警の全54署で行われていたの?

全54署で実施されていたと確認されたわけではありません。現時点では5署で同様の取り扱いが報じられており、神奈川県警は全54署を対象に調査しています。

Q6. 個人情報保護法違反になるの?

警察庁は、旧免許証の警備課への引き渡しが目的外利用に当たり、個人情報保護法に抵触する可能性が高いと説明しています。ただし、個々の職員の法的責任や処分が確定したわけではありません。

Q7. 自分の免許証の顔写真も登録された可能性はある?

可能性を完全には否定できませんが、現時点で対象者の一覧や総数は公表されていません。神奈川県で免許証を更新した人すべてが登録されたと確認されたわけでもありません。

Q8. 不正に収集された顔写真は削除される?

警察庁は、不適切に収集された情報を削除する方針です。一方、法令に基づいて適法に取得された情報は削除対象から除外されると報じられています。

Q9. 今後、旧免許証は返却されるの?

警察庁は2026年10月9日、更新後の旧免許証に穴を開けて原則返却するよう、全国の警察に通達しました。

Q10. 男性巡査長の処分は決まった?

神奈川県警は処分を検討していると報じられていますが、2026年10月22日時点で具体的な処分内容は確認できていません。

まとめ|神奈川県警の旧免許証不正利用は約30年前からの可能性

2026年10月22日、神奈川県警で運転免許更新時に回収した旧免許証を警備部門に渡し、顔写真などの収集に利用していた問題が明らかになりました。

今回の報道で確認できた主な内容は次のとおりです。

  • 旧免許証31枚を警察官が一時紛失したことで問題が発覚
  • 持ち出したのは保土ケ谷署警備課の20代男性巡査長
  • 31枚は以前勤務していた港北署で受け取ったもの
  • 港北署では交通課が回収した旧免許証を警備課へ引き渡していた
  • 警備部門は過激派や右翼関係者などの顔写真を収集していたとされる
  • 警備対象ではない一般市民の免許証も引き渡し対象だった
  • 平成初期から約30年にわたり続いていた可能性がある
  • 同様の運用が5署で確認され、全54署を調査
  • 警察庁は個人情報保護法に抵触する可能性が高いと説明
  • 警察庁は全国の警察でも同様の運用がないか調査
  • 不適切に取得した顔写真などは削除する方針
  • 10月9日には旧免許証を穴を開けて原則返却する通達を発出
  • 巡査長や関係職員の具体的な処分は未確定

今回の問題で特に重要なのは、市民が運転免許を更新するために提出した個人情報が、別の目的で利用されていたことです。

警察庁は、個人情報保護法に抵触する可能性が高いと説明し、全国調査と旧免許証の返却ルールの見直しを進めています。

しかし、実際に何人分の情報が利用されたのか、ほかの都道府県警でも同じ運用があったのか、誰が責任を負うのかについては、まだ明らかになっていません。

今後は全国調査の結果、不適切に収集されたデータの削除状況、関係職員の処分、そして再発防止策の実効性が焦点になります。

市民が行政手続きで提供した個人情報を安心して任せられるよう、運用の実態を明らかにし、適切な説明と改善を進めることが求められます。

参考資料・出典