東海汽船の飲酒・法令違反とは?酒気帯び当直と身代わり検査の経緯
東海汽船の飲酒・法令違反とは?酒気帯び当直と身代わり検査の経緯

東海汽船で、乗組員による酒気帯び状態での当直勤務や、アルコール検査の身代わり受検など、複数の法令違反の疑いが見つかったと報じられました。

さらに、旅客乗船口を閉じないまま運航したケースも確認されたとされ、国土交通省は事業停止や安全統括管理者の解任を命じる手続きに入る方針です。

ただし、2026年7月31日午前の段階では、国土交通省による監査結果や違反内容の詳細は公式発表されていません。東海汽船からも、この問題について詳しい説明や謝罪文は出ておらず、報道された内容を会社側が正式に認めた段階ではありません。

東海汽船の飲酒・法令違反とは?報じられた3つの問題

今回報じられた東海汽船の法令違反疑いは、一人の乗組員による単独の行為だけではありません。

国土交通省が2026年に東海汽船本社や旅客船へ臨時監査を行ったところ、複数の船で安全運航に関わる問題が見つかったとされています。

酒気帯び状態の乗組員が船上で当直勤務

一つ目は、酒気帯び状態の乗組員が船上で当直勤務をしていた疑いです。

船の当直には、航海中の見張りや機器の監視、異常発生時の対応などが含まれます。乗組員の判断力や注意力が安全運航に直結するため、飲酒の影響が残った状態で当直する行為は大きな問題になります。

読売新聞オンラインは、国土交通省が酒気帯び状態での当直を、旅客船の安全な運航に重大な支障が出かねない行為と受け止めていると報じています。

現時点では、乗組員がいつ飲酒したのか、どれほどのアルコール濃度が検出されたのか、どの船で当直していたのかは明らかになっていません。

アルコール検査を別の乗組員が身代わりで受検

二つ目は、本来検査を受ける乗組員とは別の人物が、アルコール検査を身代わりで受けていた疑いです。

身代わり受検が行われると、記録上は問題がないように見えても、実際に当直する乗組員の飲酒状態を把握できません。

アルコール検査は、検知器を使用するだけでなく、検査結果と当直者本人が一致して初めて安全確認として機能します。別人が検査を受けていたという報道が事実であれば、検査体制そのものへの信頼が問われる問題です。

誰が誰の代わりに検査を受けたのか、身代わり受検が何回行われたのか、管理職が把握していたのかについては、公表されていません。

旅客乗船口を閉じないまま運航した疑い

三つ目は、旅客乗船口を閉じないまま船を運航していた疑いです。

東海汽船の安全管理規程では、旅客の乗下船や船舶の離着岸時の作業について、作業基準に従うことが定められています。また、乗降用設備は船長が点検する設備の一つに含まれています。

報道では、どの部分の乗船口だったのか、出港後にいつ発見されたのか、乗客が近づける状態だったのかまでは伝えられていません。

国土交通省は、酒気帯び当直や身代わり検査と合わせ、安全な運航に重大な支障が出かねない行為とみているとされています。

東海汽船の酒気帯び当直は安全管理規程に反する行為

東海汽船は、自社の安全管理規程で乗組員の飲酒とアルコール検査について具体的な基準を設けています。

今回の報道が注目されているのは、法令違反の疑いだけでなく、会社自身が定めた安全確認の仕組みが機能していなかった疑いも出ているためです。

呼気1リットル中0.15ミリグラム以上は当直禁止

東海汽船の安全管理規程第38条では、安全統括管理者などに対し、アルコール検知器を用いた検査体制を構築するよう定めています。

乗組員については、飲酒後に正常な当直業務ができる状態へ戻るまで、当直をしてはならないとされています。

さらに、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15ミリグラム以上である間は、いかなる場合も当直を行ってはならないと定めています。船長にも、該当する乗組員を当直させない責任が課されています。

この規定は、0.15ミリグラム未満なら必ず当直できるという意味ではありません。数値が基準未満でも、飲酒の影響で正常な業務ができない状態であれば当直は禁止されています。

身代わり検査はアルコール検査体制を形骸化させる

安全管理規程で求められているのは、アルコール検知器を置くことだけではなく、当直する乗組員の状態を正しく確かめられる体制です。

別の乗組員が身代わりで検査を受けていた場合、検査記録と実際の当直者が一致しません。

報道では、身代わり検査が個人間で行われたのか、船内で慣例化していたのか、検査時の本人確認方法に問題があったのかは伝えられていません。今後、国土交通省の監査結果や東海汽船の説明で、検査管理の実態が焦点になるとみられます。

船員法違反・海上運送法違反の疑いは何を意味する?

読売新聞オンラインは、今回発覚したとされる行為について、船員法や海上運送法に違反しているとみられると報じています。

ただ、国土交通省は2026年7月31日午前の時点で、違反したと判断する具体的な条文や件数を公式発表していません。どの行為がどの法律に抵触するのかについては、正式な処分内容の公表を待つ段階です。

船員法違反は乗組員の勤務や船内秩序に関わる

船員法は、船員の労働条件や勤務体制、船内で守るべき規律などを定めている法律です。

東海汽船は2025年にも、乗組員の労働時間限度超過や、非常時に備えた操練が長期間適切に行われていなかったことなどで、船員法に基づく是正命令を受けています。(mlit.go.jp)

今回報じられた酒気帯び当直についても、乗組員が安全に勤務できる状態だったのか、船長や管理者が適切に当直を管理していたのかが調べられているとみられます。

ただし、適用条文や違反認定の内容は、聴聞後の正式処分で示される可能性があります。

海上運送法違反は会社の安全管理体制に関わる

海上運送法では、旅客船事業者に対して安全管理規程を定め、その規程に沿って輸送の安全を確保することを求めています。

乗組員個人の行為だけでなく、アルコール検査の仕組み、船長による当直管理、安全統括管理者による監督など、会社側の管理体制も対象になります。

2025年の行政処分では、複数の船員法違反に加え、東海汽船が定めた安全管理規程が守られていなかったとして、海上運送法に基づく「輸送の安全の確保に関する命令」が出されました。(mlit.go.jp)

今回も同様の安全確保命令が再び出される見込みだと報じられていますが、処分内容はまだ決定していません。

東海汽船の事業停止が検討されているのはなぜ?

国土交通省は、東海汽船に対して事業停止や安全統括管理者の解任を命じる手続きに入る方針だと報じられています。

今回の問題では、酒気帯び当直だけでなく、身代わり検査や旅客乗船口の問題が複数の船で見つかったとされている点が、処分判断に関係しているとみられます。

複数の船で安全運航に関わる問題が見つかった

読売新聞オンラインによると、国土交通省の臨時監査では、複数の船で法令違反の疑いが見つかりました。

一つの船や一度限りのミスではなく、異なる種類の問題が複数確認されたと報じられています。

国土交通省は、これらを旅客船の安全な運航に重大な支障が出かねない悪質な行為とみているとされています。

ただ、違反が確認された船の数、発生期間、関係した乗組員数は明らかになっていません。

事業停止と安全統括管理者の解任は聴聞後に決定

関東運輸局は、処分案について東海汽船側の意見を聞く「聴聞」を通知する方針です。

聴聞では、国側が把握した事実や処分案に対して、東海汽船が意見や証拠を提出できます。正式な事業停止命令や安全統括管理者の解任命令は、その手続きが終わった後に決まります。

2026年7月31日午前の段階では、次の事項は発表されていません。

  • 聴聞の実施日
  • 事業停止命令の発令日
  • 事業停止期間
  • 対象となる航路や船舶
  • 安全統括管理者の解任時期
  • 関係した乗組員や管理職の処分

事業停止の報道が出た時点で、東海汽船の全便が直ちに欠航したわけではありません。

東海汽船は2025年にも行政処分を受けていた

東海汽船は今回の飲酒問題が報じられる約1年前にも、国土交通省関東運輸局から行政処分を受けています。

2025年の違反内容は、今回報じられた酒気帯び当直や身代わり検査とは異なります。ただ、安全管理体制を改善すると発表した後に、再び法令違反の疑いが報じられた点が注目されています。

2025年は長時間労働や操練の未実施で是正命令

国土交通省は2025年4月1日、東海汽船への立入検査で、乗組員の労働時間限度超過や、非常時に備えた操練が長期間適切に実施されていなかったことなどを確認したと発表しました。

さらに、教育訓練を修了していない人を乗組員として乗船させていたことなども、当時の処分に関係していると報じられています。

関東運輸局は、船員法に基づく是正命令と、海上運送法に基づく輸送の安全確保に関する命令を出しました。

東海汽船は「全社的な遵法意識の欠如」と説明

東海汽船は2025年5月、関東運輸局へ改善報告書を提出しました。

公式発表では、行政処分を受けた問題について「当社全体の遵法意識の欠如が根本にある」と説明し、関係者を処分すると表明しています。

再発防止策として、安全管理体制の再構築、操練や教育訓練の適正な実施、労働時間超過への対策などを掲げていました。(東海汽船)

同年6月には、経営管理責任を明確にするとして、代表取締役社長が月額報酬の30%を2か月返上するなど、取締役と監査役を含む役員報酬の一部自主返上も発表しています。(東海汽船)

「同じ飲酒違反の再発」ではない

東海汽船について「行政処分の再発」と受け取られることもありますが、2025年と2026年に報じられた問題の内容は同じではありません。

2025年に公式確認された主な問題は、労働時間の超過、操練や教育訓練、安全管理規程の運用などでした。

2026年に報じられたのは、酒気帯び当直、アルコール検査の身代わり受検、旅客乗船口を閉じないままの運航です。飲酒問題が前年にも発生していたという公式情報は出ていません。

一方で、安全管理体制を再構築すると発表した後に、新たな法令違反の疑いが複数報じられたため、改善策が船内でどのように実行されていたのかが問われています。

東海汽船は飲酒問題について謝罪した?

2026年7月31日午前の時点では、東海汽船は今回の飲酒問題について公式な謝罪文や調査結果を発表していません。

東海汽船は読売新聞の取材に対し、現段階では回答を差し控え、公表すべき事項が生じた場合には適切な時期に知らせると回答しています。

東海汽船の公式サイトに詳しい説明は出ていない

東海汽船の公式サイトでは、7月31日午前の時点で、酒気帯び当直やアルコール検査の身代わり受検に関する発表は掲載されていません。

関東運輸局の報道発表一覧にも、東海汽船への聴聞通知や正式処分に関する発表は確認されていません。(東海汽船)

そのため、現在伝えられている違反内容は、国土交通省や東海汽船が公表した監査報告書ではなく、関係者への取材をもとにした読売新聞オンラインの報道によるものです。

船名や乗組員名は公表されていない

酒気帯び当直や身代わり検査が行われたとされる船の名前は公表されていません。

大型客船、ジェット船のどちらで発生したのかも分かっておらず、特定の船を問題の対象として扱える発表は出ていません。

関係した乗組員や船長、安全統括管理者の氏名についても、今回の報道では明らかにされていません。ネット上で特定の船名や個人名が出ても、国土交通省や東海汽船の発表によるものではありません。

東海汽船の飲酒・法令違反と今後の処分

東海汽船の飲酒・法令違反疑いについて、2026年7月31日午前の時点で報じられている内容は次の通りです。

  • 酒気帯び状態の乗組員が当直勤務をした疑い
  • アルコール検査を別人が身代わりで受けた疑い
  • 旅客乗船口を閉じないまま運航した疑い
  • 複数の船で問題が見つかったとの報道
  • 船員法や海上運送法に違反している疑い
  • 国土交通省が事業停止手続きに入る方針
  • 安全統括管理者の解任命令も検討
  • 正式処分は聴聞後に決定する見込み

現段階では、酒気帯び当直が行われた日時や船名、検出されたアルコール濃度、身代わり検査の回数などは公表されていません。

今後は、関東運輸局による聴聞の通知、東海汽船側の説明、正式な行政処分の内容が焦点になります。事業停止が決まる場合には、対象航路や期間、欠航便、予約客への対応についても追加発表が出るとみられます。