長澤まさみ主演映画『MOTHERマザー』キャストと元ネタ事件の結末
長澤まさみ主演映画『MOTHERマザー』キャストと元ネタ事件の結末

映画『MOTHERマザー』の第2弾キャストと予告動画が2020年4月27日に公開されました。

実際に起きてしまった「凄惨な事件」を元に映画化される本作ですが、
最も重要であり難しい役どころとなる母親役と息子役を、女優生活20周年をむかえる「長澤まさみ」さんと初オーディションで大抜擢された16歳の新人「奥平大兼」さんが演じることでも話題となっています。

今回は、「長澤まさみ」さん主演映画『MOTHERマザー』のキャストと元ネタとなる事件の概要と結末について紹介させていただきます。

映画『MOTHERマザー』あらすじ

映画『MOTHERマザー』は実際に起きた事件を元に、新たな物語として制作される長澤まさみさん主演の衝撃作です。

ゆきずりの男たちと関係をもち、その場しのぎの生活をおくるシングルマザーの秋子。そして、息子である周平は母親の奇妙な執着により、彼女への忠実を強いられて育てられていた。
そんな周平は、母親からの歪んだ愛情しか知らず、それに必至に応えようと生きていた。

やがて社会から孤立し、行き場のない底辺で生きる母子に「ある絆」が生まれる。
そして成長した周平が「凄惨な事件」を起こしてしまうのだ。
17歳の少年が罪を犯してまで守りたかったものとは?
彼の「告白」に涙する。

映画『MOTHERマザー』は、2020年夏公開予定です。

映画『MOTHERマザー』キャスト一覧

主演の「長澤まさみ」は、女優20年目にして初の汚れ役を熱演。息子役は初オーデイションで大抜擢された新人「奥平大兼」が演じる。また、内縁の夫役として阿部サダヲが長澤と初共演するほか、夏帆、皆川猿時、仲野太賀、木野花ら豪華キャストも出演されます。

母・秋子 役/長澤まさみ

主演の長澤まさみさんは、脚本を読んで出演を自ら選びました。
結婚をしておらず子供もいない長澤さんは、母親ではなく息子周平目線で脚本を読んでいたが、他人事とは思えないリアリティと、母親の存在や子供を育てる責任の大きさについて考えさせられ、この役を演じてみたいと思ったそうです。
また、今回演じる母親の秋子は、「視点の違いで、理解が大きく変わる独特のキャラクター」と説明しています。

息子・周平 役/奥平大兼

自身、勉強のつもりで受けた初のオーディションで合格してしまったことに嬉しいよりも驚きのほうが大きかったそうです。

撮影現場では、過酷な環境の中で生きる周平を演じきれるか不安だったが、長澤さんが優しく声を掛けてくれたり、母のように接してくれたおかげで、脚本を読んで自分が感じた周平を演じることができた。今回この役を演じることで、周平のような子供が世の中にいるんだと実感し、色々と考えされられたと語っております。

内縁の夫・遼 役/阿部サダヲ

秋子の内縁の夫となるホスト・遼を演じるのは、長澤さんと初共演の阿部サダヲさん。
役柄である「全く思い入れることが出来ないダメな男」はなかなか貰う機会がないことや、大森監督、長澤さんとは初共演であることなど、とても新鮮だと語っておられます。

夏帆

皆川猿時

仲野太賀

STAFF

日本公開:2020年(日本映画)
監督:大森立嗣
脚本:大森立嗣、港岳彦
プロデューサー:佐藤順子
音楽:岩代太郎
キャスト:長澤まさみ、阿部サダヲ、奥平大兼(幼少期:郡司翔)、夏帆、皆川猿時、仲野太賀、木野花
製作:「MOTHER」制作委員会
配給:スターサンズ、KADOKAWA

映画『MOTHERマザー』の元ネタ実話と事件の結末

2014年3月、埼玉県川口市で17歳の少年が祖父母を殺害し、現金やキャッシュカードなどを奪う事件がモデルとなっています。

少年は、幼少期に両親と3人で暮らしていたが、4歳になる頃に一家の借金が膨れ上がり夜逃げすることになる。
母親は家計が苦しくても働かないどころか、父親から家賃として渡された金も大家に支払わず、パチンコなどに浪費していた。

しかし、浪費癖があっても、いつも一緒にいてくれる母親は、少年にとってまだ「いい母親」であった。

少年が小学校へ入学するとき、一家はさいたま市内のアパートに転居し、母親が水商売で働き始めた頃から少年の人生が大きく狂い始めた。

父親は愛人の元へ入りびたりで帰らなくなり、母親はホストクラブに通い詰めて働かなくなる。

両親のいない家で、少年はコンビニ弁当を食べながら孤独に募らす中、母親はホスト達を連れて帰宅するなど生活が荒れ、4年生になると学校にも行けなくなった。その頃、両親が離婚し少年は母親側に残ることを選ぶ。

そこからの少年は更に悲惨な暮らしとなる。「金づる」と呼んでいた店の客の中年男性と暮らし始めるが、母親はネットで知り合ったホストRの元へ身を寄せ、1カ月も帰らなかった。

この時の「母親に捨てられた」という絶望は、少年の心に深い傷を残した。

ようやく戻ってきた母親は、少年を連れて名古屋へ行き、ホストRの元に転がり込む。その後、元ホストRとともにさいたま市に戻るが、2人とも仕事をせず、親戚に金を借りたり「金づる」をだまして金を得るなど、その場しのぎの毎日だった。

その後、各地を転々としながら、あるラブホテルで2年間にわたって生活するようになる。少年は学校に通わず、母親とともにゲームセンターや漫画喫茶でチェックインの時間まで時間を潰し、日雇いの仕事から帰ってく元ホストRを待った。
そして、日雇い収入がなくなり、親戚からの借金もできなくなると、ラブホテルの敷地にテントを張って野宿をするという、どん底の暮らしとなった。

その頃、母親は元ホストRとの子を妊娠し女児を出産したが、出生届も出さず、戸籍のない子どもとなる。

一家は、親しくなった家族の金を持ち逃げして、横浜市へ逃走するも、ほどなくして金も尽き、公園で野宿をするようになった。

少年は妹のおしめ交換や食事の世話など全ての面倒を見ていた。しかし野宿のストレスから元ホストRは少年に対して暴力を振るうようになる。当時少年は「死ねたら楽だろうな」と何度も考えたという。

どん底の生活に陥った少年たちは生活保護を受給することができるようになり、少年はフリースクールに通うことができるようになったが、生活保護費の浪費を注意されることを母親が嫌い、また元の生活に戻る。
そんな生活に愛想を尽かし元ホストRはいなくなった。

その後、少年は塗装会社で働き会社の寮に住むことができるようになったが、母親は遊ぶ金を工面するため少年に給料の前借りを指示した。母親から捨てられることにおびえていた少年は、その言葉に従う選択肢しかなかった。しかし、借金が膨らんだ一家は、ここからもまた姿を消した。

行き場を失った母子は、母親の実父母へ借金を申し入れるも断られる。

「ばあちゃんたち殺しでもすれば金が手に入るよね」と漏らす母親に、少年は冗談だと思い、「そうだね」とあいまいに返事をしたが、それに対して、母親は「本当にできるの?」「結局できないの?」とたたみかけた。

翌日、2人は殺害方法を話し合い、少年は祖父母宅を訪ねた。

初めは金を借りることで済ませようとした少年だが、祖父母はその申し出を拒否したため殺害に及んでしまう。
現金やキャッシュカードを盗んで得た金も、母親によって、わずか3日あまりで使い尽くされた。

そして、事件から1カ月後、少年は逮捕された。

裁判で、少年は懲役15年の刑が確定した。

「母親の指示があった前提で聞く。この事件、誰が悪いんだ?」そう裁判長が少年に尋ねた際、少年は「自分が悪い」「母親への気持ちの持ち方をちゃんとしていれば、誰かにお金を借りに行くことも止められたはず」と答えたそうです。
酷い虐待を受け続け、金を得る目的だけに利用され続けた少年だが、母親に責任があるとは考えていなかったのです。

事件を取材していた山寺香記者へ送った少年の手記には
「本当は罪なんて犯したくない。でも、もうこれしかなかったんだ」
また、「一歩踏み込んで何かをすることはとても勇気が必要だと思います。その一歩が目の前の子供を救うことになるかもしれないし、近くに居た親が『何か用ですか?』と怪訝そうにしてくるかもしれない。やはりその一歩は重いものです。そしてそれは遠い一歩です」とも綴っている。

手記を書いたのは、「自分が取材を受ける理由は世の中に居る子供達への関心を一人でも多くの方に持っていただく為の機会作りのようなものです」と語ったそうです。

一方の母親は強盗罪のみで裁かれ、懲役4年6カ月の判決を受けました。
少年は、妹が将来、母親によって売春をさせられるのではないかと刑務所の中で心配しているそうです。

自分が置かれた境遇を嘆くこともなく、妹や同じ境遇の子ども達に関心を寄せる少年は、もし誰かがこの環境から抜けられるよう手を差し伸べることができていたら、または異なった環境で生きていけたなら真面目で優しい普通の子になっていたことでしょう。

映画『MOTHERマザー』ネットの反応

映画『MOTHERマザー』まとめ

17歳の少年が実際に起こした実話を元に映画化される『MOTHERマザー』は今年夏の公開予定です。
母親役の「長澤まさみ」さんは初めての汚れ役、息子役の「奥平大兼」さんは初オーデイションで大抜擢された新人と、新鮮で緊張感のあるシーンが多くありそうです。
作品の内容、母親の心理と息子の心理、気になりますね。
絶対観に行こうと思いました。

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