
広島東洋カープの矢野雅哉選手と前川誠太選手が、いわゆる「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物「エトミデート」を巡り、医薬品医療機器法違反の疑いで書類送検されたことが2026年9月25日に報じられました。
広島テレビや日テレNEWS NNNによると、矢野雅哉選手はエトミデートを譲り受けた疑い、前川誠太選手は所持した疑いが持たれています。一方、捜査に対して2人はいずれも容疑を否認していると報じられています。
さらに矢野雅哉選手の代理人弁護士は、違法薬物を譲り受けたり使用したりした事実はないとする声明を発表しています。前川誠太選手についても、違法薬物の譲り受けや使用をしていないとの認識を本人から聞いていると説明しました。
そのため、書類送検されたという事実だけから「2人が違法薬物を使用した」と受け取るのは、現在報じられている内容とは異なります。
矢野雅哉と前川誠太は何した?ゾンビたばこを巡り書類送検
矢野雅哉選手と前川誠太選手について現在報じられているのは、指定薬物エトミデートに関する医薬品医療機器法違反の「疑い」です。
2人が同じ容疑で書類送検されたわけではなく、報道では矢野雅哉選手と前川誠太選手で疑われている行為が異なっています。
矢野雅哉はエトミデートを譲り受けた疑い
広島テレビの報道によると、矢野雅哉選手にはエトミデートを譲り受けた疑いが持たれています。
広島県警は9月25日付で事件を書類送検したと報じられています。関係者のスマートフォンを解析するなどした捜査から、矢野雅哉選手への容疑が浮上したということです。
ただし、矢野雅哉選手は容疑を否認しています。
代理人弁護士も、警察による捜索や取り調べに対応してきたうえで、「違法薬物の譲り受けや使用の事実はない」と説明していることを明らかにしています。
前川誠太はエトミデートを所持した疑い
前川誠太選手については、エトミデートを所持した疑いで書類送検されたと報じられています。
日テレNEWS NNNなどによると、前川誠太選手も捜査に対して容疑を否認しているということです。
矢野雅哉選手側の代理人弁護士は、前川誠太選手からも違法薬物の譲り受けや使用の事実はないとの認識を聞いているとしています。
書類送検の報道では「所持した疑い」とされている一方、代理人声明では「譲り受けや使用」に言及しています。現時点では、検察による最終的な刑事処分は発表されていません。
ゾンビたばことは?指定薬物エトミデートとの関係
今回の報道では「ゾンビたばこ」という言葉が繰り返し使われています。
これは正式な商品名や法律上の名称ではなく、エトミデートを含む製品などを指して報道で使われている呼び方です。
エトミデートは2025年5月から指定薬物
厚生労働省は2025年5月16日、エトミデートを指定薬物とする省令を公布し、同年5月26日から施行しました。
厚生労働省によると、指定後はエトミデートや同物質を含む製品について、医療など法律で認められた用途を除き、製造、輸入、販売、所持、使用などが原則として禁止されています。
そのため、今回の矢野雅哉選手と前川誠太選手についても、医薬品医療機器法違反の疑いとして捜査が行われました。
「ゾンビたばこ」という名称だけが独り歩きしやすい
「ゾンビたばこ」という強い呼び方から、一般的なたばこの一種と受け取る人もいるかもしれません。
今回問題となっているのは、厚生労働省が指定薬物として規制しているエトミデートです。厚生労働省の公式資料でも「ゾンビたばこ」ではなく「エトミデート(Etomidate)」と記載されています。(厚生労働省)
矢野雅哉選手と前川誠太選手については、使用したことが確定したとの発表はなく、両選手とも容疑を否認していると報じられています。
矢野雅哉と前川誠太はなぜ家宅捜索された?
今回の書類送検は、突然始まった話ではありません。
2026年7月30日、広島東洋カープは、広島県警が矢野雅哉選手と前川誠太選手の居宅などを捜索したことを公表していました。
7月30日に広島県警が2人の自宅などを家宅捜索
広島球団は7月30日、矢野雅哉選手と前川誠太選手について、広島県警察本部が居宅などを捜索したと発表しました。
球団は警察の捜査へ全面的に協力する姿勢を示し、前川誠太選手については捜索を受けた事実を受けて出場選手登録を抹消しました。
当時、球団側は捜索令状を確認していないとして、具体的な容疑内容までは説明していませんでした。
ただ、鈴木清明球団本部長は羽月隆太郎元選手を巡る一連の捜査との関連を念頭に置いた発言をしています。
矢野雅哉は7月17日に出場選手登録を抹消
矢野雅哉選手は家宅捜索より前の7月17日、出場選手登録を抹消されていました。
一部週刊誌が、羽月隆太郎元選手にエトミデートを渡したとされる人物と矢野雅哉選手らが同席している写真を報じたことを受け、球団が登録抹消を判断したと伝えられています。
矢野雅哉選手は翌18日、違法な付き合いはないという趣旨の説明をしたうえで、今後は問題視された人物とは関わらない考えを示していました。
写真に一緒に写っていたこと自体と、指定薬物を譲り受けたり使用したりしたかどうかは別の問題です。
代理人側も、写真の存在によってファンから疑念を持たれる状況になったことについては謝罪しながら、違法薬物への関与については否定しています。
前川誠太も家宅捜索後に登録抹消
前川誠太選手は7月30日の家宅捜索を受け、球団の判断で同日に出場選手登録を抹消されました。
その後は3軍に合流し、報道陣からの質問に詳しい説明はせず、練習を続けていたと報じられています。
NPBの2026年度成績では、前川誠太選手は今季一軍25試合に出場しています。矢野雅哉選手と前川誠太選手はいずれもファームでの出場記録も残っています。
羽月隆太郎と矢野雅哉・前川誠太の関係は?
今回の書類送検を巡って名前が出ているのが、元広島東洋カープの羽月隆太郎氏です。
羽月隆太郎氏の事件をきっかけに捜査が広がり、矢野雅哉選手や前川誠太選手の家宅捜索、今回の書類送検へと進んだ経緯が報じられています。
羽月隆太郎元選手はエトミデート使用で有罪判決
羽月隆太郎元選手は、エトミデートを使用したとして逮捕・起訴され、その後、拘禁刑1年、執行猶予3年の有罪判決を受けたと報じられています。
羽月隆太郎氏は裁判の中で、周囲にもエトミデートを使っている広島の選手がいたという趣旨の証言をしたと報じられました。
ただ、この証言だけで矢野雅哉選手や前川誠太選手の行為が認定されたわけではありません。
スマートフォンの解析などから容疑が浮上と報道
広島テレビと日テレNEWS NNNは、関係者のスマートフォンを解析するなどした結果、矢野雅哉選手と前川誠太選手への容疑が浮上したと伝えています。
一方、具体的にどのようなメッセージやデータが確認されたのか、その内容が誰とのやり取りだったのかといった詳しい捜査内容までは公表されていません。
そのため、「羽月隆太郎氏の証言によって2人の違反が判明した」と単純に結びつけられる段階ではありません。
矢野雅哉と前川誠太は容疑を否認|代理人弁護士は何と説明?
書類送検のニュースでは、警察側が疑っている内容だけでなく、矢野雅哉選手と前川誠太選手が否認していることも伝えられています。
特に矢野雅哉選手については、代理人弁護士から詳しい声明が出ています。
矢野雅哉側は「違法薬物の譲り受けや使用の事実はない」
矢野雅哉選手の代理人弁護士は、警察による捜索や取り調べに対応してきたと説明。
その中で、矢野雅哉選手には違法薬物を譲り受けたり使用したりした事実はないと警察側へ説明していることを明らかにしました。
さらに代理人側は、2026年1月に羽月隆太郎元選手への捜査が行われた際、矢野雅哉選手を含む複数の同僚選手が任意の尿検査を受け、羽月隆太郎氏以外からエトミデートを含む違法薬物の陽性反応は出なかったとしています。
これは代理人側が公表した説明であり、今回の書類送検後に検察がどのような判断をするかは今後決まります。
前川誠太も容疑を否認と報道
前川誠太選手についても、捜査に対して容疑を否認していると広島テレビや日テレNEWS NNNが報じています。
矢野雅哉選手の代理人弁護士は前川誠太選手についても、違法薬物の譲り受けや使用の事実はないという認識を本人から聞いているとしています。
警察側が疑っている「所持」と、代理人声明で言及された「譲り受け・使用」では表現に違いがあるため、前川誠太選手についても検察の処分や今後の説明が焦点になります。
矢野雅哉と前川誠太は起訴される?書類送検後の今後
「書類送検」という言葉から、すでに有罪になったと思う人もいるかもしれません。
しかし、書類送検の段階で刑事裁判の有罪判決が出たわけではありません。
書類送検後は検察が起訴・不起訴を判断
法務省によると、警察などから事件の送致を受けた後、検察官が捜査を行い、裁判所へ起訴するかどうかを判断します。
不起訴には、証拠が十分ではない「嫌疑不十分」や、犯罪成立を認める証拠があっても事情を踏まえて起訴しない「起訴猶予」などがあります。
矢野雅哉選手と前川誠太選手についても、書類送検後に検察が事件記録などを確認し、起訴するか不起訴とするか判断する流れになります。
矢野雅哉の代理人は不起訴になるとの見方
矢野雅哉選手の代理人弁護士は、検察庁で内容が確認された後、矢野雅哉選手に対して起訴などの刑事処分がなされる見込みはないとの考えを示しています。
ただ、これは代理人側の見解です。
2026年9月26日時点で、検察が不起訴処分を正式に発表したという情報は確認されていません。
広島カープから契約解除などの発表はある?
今回の書類送検を受け、広島東洋カープが追加処分を行うのかも気になるところです。
7月には矢野雅哉選手と前川誠太選手が出場選手登録を抹消されましたが、9月25日の書類送検報道時点で、両選手の契約解除が正式発表されたという情報は確認されていません。
代理人声明では、矢野雅哉選手について今後も野球選手として練習に励み、プレーを通じて信頼回復を目指す考えが示されています。
今後は検察の起訴・不起訴判断に加え、広島球団がどのような対応を発表するのかにも注目が集まりそうです。
矢野雅哉と前川誠太は何した?現時点で分かっている内容
2026年9月25日、広島東洋カープの矢野雅哉選手と前川誠太選手が、指定薬物エトミデートを巡る医薬品医療機器法違反の疑いで書類送検されたことが報じられました。
矢野雅哉選手にはエトミデートを譲り受けた疑い、前川誠太選手には所持した疑いが持たれています。
一方で、2人はいずれも容疑を否認していると報じられ、矢野雅哉選手の代理人も違法薬物の譲り受けや使用を否定しています。前川誠太選手についても、代理人は違法薬物の譲り受けや使用はしていないとの認識を本人から聞いているとしています。
また、書類送検は有罪判決ではありません。
今後、検察が捜査内容や2人の主張などを踏まえ、起訴または不起訴の判断を行います。
羽月隆太郎元選手の事件から始まり、7月の家宅捜索、出場選手登録抹消、9月25日の書類送検と事態は続いています。
今後は検察の処分と広島東洋カープの対応によって、矢野雅哉選手と前川誠太選手の今後がさらに明らかになってくるとみられます。

