
石川県加賀市の東和中学校で2026年10月26日、理科の実験で使った水溶液が生徒の皮膚に付着し、1年生21人の手や腕が白色・紫色・茶色などに変色する事故が起きました。
加賀市教育委員会によると、最初に薬品が付着したのは7人でした。
その後、同じ理科室を使用した別の2クラスでも14人に同様の症状が見つかり、合計21人となっています。全員が医療機関を受診し、現時点では皮膚の変色以外の症状は確認されていません。
今回の流れをまとめると次の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学校 | 加賀市立東和中学校 |
| 発生日 | 2026年10月26日 |
| 対象 | 1年生 |
| 最初に薬品が付着 | 7人 |
| 後から症状が確認 | 14人 |
| 合計 | 21人 |
| 症状 | 手・腕が白、紫、茶色などに変色 |
| 使用した水溶液 | 塩化ナトリウム、硝酸カリウム |
| 銀 | 本来使用していないが混入した可能性 |
| 受診 | 21人全員 |
| 現在 | 変色以外の症状なし、経過観察 |
理科実験ではどんな薬品を使っていた?
FNNによると、この日の1年生の実験では、
塩化ナトリウム
硝酸カリウム
の水溶液を使って、それぞれの水溶液から結晶を取り出す実験を行っていました。
塩化ナトリウムはいわゆる食塩の主成分です。
硝酸カリウムも理科実験で結晶の析出などを学ぶ際に使用される物質です。
しかし、生徒の皮膚に起きた変色について調べたところ、今回の1年生の実験では使用していない「銀」が水溶液に含まれていた可能性が浮上しました。
皮膚を変色させた薬品は硝酸銀?
「銀が含まれていた」と聞くと、理科実験でよく使用される硝酸銀(AgNO3)を思い浮かべる人もいるでしょう。
硝酸銀は皮膚に付着すると変色を起こすことが知られています。
日本化学会の資料でも、硝酸銀について、光に当たると黒変し、皮膚に触れると銀が遊離して黒くなると説明されています。
厚生労働省の安全データシートでも、硝酸銀には皮膚に対する強い腐食性があるとされています。
そのため、
「硝酸銀が混ざっていたのでは?」
と考えるのは自然です。
ただし重要なのは、2026年10月30日時点で、加賀市教育委員会が「硝酸銀が原因」と確定したわけではないということです。
現在確認されているのは、
本来使用していない銀が含まれていた可能性がある
という段階です。
したがって、「硝酸銀が混入した事故」と断定することはできません。
銀はなぜ混入した?
「1年生の実験では銀を使っていないのに、なぜ銀が検出された可能性があるのか」という点が今回の大きな謎です。
2026年10月30日時点では、銀がどこから混入したのかは特定されていません。
考えられる確認ポイントとしては、
使用した試験管や器具
薬品を入れた容器
水溶液を準備した過程
過去の実験で使った薬品の残留
理科室内での薬品管理
などがあります。
ただし、これらはあくまで原因調査で確認すべき項目です。
「以前使用した硝酸銀が残っていた」などとする原因は、現時点では公式に確定していません。
加賀市教育委員会が引き続き混入経路を調べています。
なぜ7人から21人に被害が広がった?
今回、直接水溶液がこぼれた際に皮膚へ付着したのは7人でした。
ところが最終的には21人に症状が出ています。
日テレ系の報道によると、最初に事故が起きたのは1年4組の授業でした。
実験の片付け中に試験管から水溶液がこぼれ、7人の手や腕に付着しました。
生徒は皮膚を水で洗い、机も拭き取りました。
その後、同じ理科室で1年2組と1年3組が同様の実験を実施。
こちらでは水溶液をこぼしていないにもかかわらず、合計14人の皮膚にも変色が確認されました。
教育委員会は、最初に水溶液がこぼれた机の拭き取りが不十分だったため、後から机に触った生徒にも薬品が付着した可能性があるとみています。
皮膚が白・紫・茶色になったのはなぜ?
今回、生徒の皮膚は一様な色ではなく、
白色
紫色
茶色
などに変化しました。
銀を含む化合物の中には、皮膚に付着すると光などの影響によって銀の粒子が生じ、茶色から黒っぽく変色するものがあります。
硝酸銀の場合、皮膚に付着した銀イオンから銀化合物や金属銀が生成され、時間の経過や光によって暗い色に見えることがあります。医学文献でも硝酸銀への接触によって黒色・褐色の皮膚変色が起きることが報告されています。
ただし今回の水溶液の成分はまだ確定していません。
そのため、
「白色はこの物質、紫色はこの反応、茶色は硝酸銀」
と個別に断定できる段階ではありません。
色の違いは、付着した物質の種類や濃度、付着量、皮膚上での反応などによって生じた可能性があります。
生徒21人は病院を受診!健康状態は?
変色が確認された21人は、加賀市医療センターを受診しました。
MROなどの報道によると、2026年10月29日時点では全員、
皮膚の変色以外の症状は確認されていません。
現在は経過観察となっています。
命に別条もないと報じられています。
したがって現時点では、重篤な健康被害が発生しているとの情報はありません。
皮膚の変色は治る?いつ消える?
保護者や生徒にとって特に気になるのが、
「変色は元に戻るのか」
という点でしょう。
今回の21人について、加賀市教育委員会や医療機関から具体的に「何日で消える」との発表は確認できません。
原因物質がまだ特定されていないためです。
ただし一般論として、硝酸銀が皮膚表面に付着して起きた変色の場合、医学文献では皮膚の新陳代謝に伴って1~2週間程度で消えるケースが報告されています。
教育機関向け資料でも、少量の硝酸銀による皮膚の着色は10日程度でなくなることがあると説明されています。
ただしこれはあくまで「硝酸銀による表面的な着色」の一般例です。
今回の生徒の原因物質や濃度は未確定なので、
「全員1~2週間で必ず治る」
とは言えません。
医療機関の指示に従って経過を確認する必要があります。
後遺症が残る可能性は?
2026年10月30日時点では、21人について後遺症が確認されたとの情報はありません。
全員に変色以外の症状がなく、経過観察となっています。
硝酸銀など銀化合物への慢性的・長期的な曝露では「銀皮症」と呼ばれる皮膚の青灰色化が問題となる場合があります。
一方、一度の皮膚接触による表面的な硝酸銀の着色と、長期間の銀曝露による銀皮症は同じものではありません。米国ATSDRも、慢性的な銀曝露による銀皮症と単回の銀化合物への接触を区別しています。
今回について長期的な後遺症が残るかどうかは、原因物質の特定と今後の診察結果を待つ必要があります。
なぜ翌日になって変色が分かった?
事故が起きたのは10月26日ですが、生徒から「皮膚が茶色や紫に変色している」と報告があったのは翌27日でした。
銀化合物による皮膚の変色は、付着した瞬間に最も濃い色になるとは限りません。
例えば硝酸銀の場合、皮膚に付着した銀が光などの影響で変化し、時間が経ってから黒色や褐色が目立つことがあります。
この性質は今回の時間経過と一致する可能性があります。
ただし、これも今回の物質が硝酸銀だったと証明するものではありません。
学校側の対応に問題はなかった?
事故直後、薬品が付着した生徒は皮膚を水で洗い流し、机も拭き取りました。
しかし、その後に同じ机を使用した生徒にも症状が出たことから、教育委員会は机の拭き取りが十分ではなかったとみています。
またMROは、加賀市教育委員会が、
実験前の確認不足
事故後の対応の遅れ
があった可能性を示していると報じています。
水溶液の一部は洗浄時に下水へ流れましたが、ごく微量であり、市は環境への影響はないとしています。
加賀市教育委員会が謝罪!再発防止策は?
加賀市教育委員会は今回の事故について、生徒や保護者に心配と迷惑をかけたとして謝罪しました。
今後は、
水溶液に銀が混入した原因の特定
薬品・器具の管理方法の確認
実験前の薬品確認
事故時の洗浄・清掃方法の徹底
生徒の健康観察
などを進めるとしています。
さらに、市内すべての学校に対して薬品の使用方法や安全管理を徹底し、再発防止に取り組む方針です。
東和中学校の理科実験事故をまとめると
2026年10月26日、石川県加賀市の東和中学校で、1年生が理科実験を行った際に水溶液がこぼれ、最終的に生徒21人の手や腕が白・紫・茶色などに変色しました。
実験で使用していたのは、
塩化ナトリウム
硝酸カリウム
の水溶液です。
最初に7人へ直接付着し、机を拭き取ったものの十分ではなかったため、その後に同じ理科室を使った2クラスの14人にも症状が広がったとみられています。
さらに、生徒の症状から、本来この実験では使っていなかった銀が水溶液へ混入していた可能性が指摘されています。
硝酸銀は皮膚を黒や茶色に変色させることが知られているため候補の一つとして考えられますが、今回混入した物質が硝酸銀だったとはまだ確定していません。
21人全員が病院を受診し、現在は皮膚の変色以外の症状はなく経過観察となっています。
今後の最大の焦点は、
銀はどの薬品から混入したのか
なぜ実験前に気付けなかったのか
なぜ拭き取り後も14人へ被害が広がったのか
という原因究明です。
加賀市教育委員会は、市内の学校全体で薬品管理と実験時の安全確認を徹底し、再発防止に取り組むとしています。

